2003年にJ SPORTSへ入社した私が最初に担当したコンテンツはJ2の中継でした。
当時のチーム数は12。
カメラもわずかに2台体制で、スローVTRはその直前に見ていた映像の速度が
本当に“スロー”になっただけ。
今から考えるとある意味で画期的な中継だったのかなと(笑)
ちなみにその2003年シーズンのJ2で優勝したのは
初めてのJ1昇格となったアルビレックス新潟。
2位でのJ1復帰となったのがサンフレッチェ広島。
一時は昇格争いに加わっていたヴァンフォーレ甲府は5位、大宮アルディージャは6位。
そして順位表の一番下にいたのは44試合でわずか3勝。
1つ上の順位のチームとすら勝ち点20の差をつけられ、
圧倒的最下位となったサガン鳥栖でした。
2005年3月。
当時担当していた「Foot!THURSDAY」という番組では、他にどこもやっていないからという理由で
J2ハイライトを開始しました。
3月5日の開幕戦。
私が人生で初めて作成したJリーグのハイライトはベガルタ仙台と徳島ヴォルティスの一戦。
JFLから悲願の昇格を果たしたヴォルティスにとって
記念すべきJリーグデビュー戦となったこのゲームは、大方の予想を裏切って昇格チームが大健闘。
その前年はJ1を戦っていたベガルタ相手にアウェイで3ゴールを奪って快勝。
おそらくヴォルティスのクラブ史に残るような90分間だったのは間違いないはずです。
それから10年近い時が経ち、Jリーグの勢力図は大きく様変わりしました。
2003年にJ2で最下位を独走していたサガンは
今やトップディビジョンで優勝争いを繰り広げるまでに成長。
アルビレックスやアルディージャは完全にJ1のクラブとして認識されています。
さらにベガルタもここ数年の間にアジア王者を決定するAFCチャンピオンズリーグへ
出場するまでの結果を残し、ヴォルティスもとうとう四国勢として初となる
J1でのプレー権利を昇格プレーオフの末に勝ち取り、今シーズンは苦しみながらも
日々強豪クラブと対峙し続けています。
J SPORTSがゴールデンウィークにお届けするJ1の中継カードは
5月3日がヴォルティス対ベガルタ@鳴門大塚で、5月6日がサガン対レイソル@ベアスタ。
約10年前には2台のカメラで放送していた“J2のスタジアム”で、
J1の中継に立ち会うという不思議な巡り合わせを感じながら、
皆さんへ映像を送り届けたいと思っています。
写真は鳥栖駅の表札。スタジアムのイラストがかわいいですね!