因縁のモンドラゴン ホルヘ三村 2014年6月27日 コロンビア, ホルヘ・ミム〜ラ コロンビア戦の1-4というスコアは、全く予想外のものだった。 これは日本だけでなく、コロンビアでも同じこと。 5月にコロンビアへ取材に行った際、100人を対象に勝敗とスコアのアンケートを行った。 サッカー協会関係者、サッカー記者、高校生年代のサッカー選手、A・ナシオナルのサポーター、 建設作業員、大学生、警官、会社員、通行人などさまざまな人たちに訊きまくった。 呑み屋では、「5-0でコロンビアだ」と喚く一団がいた。 人数はおよそ5~6人。5-0というのは特に理由がなく、酔った勢いで「楽勝だ」といいたかったのだと思う。 また、東京は中野ブロードウェイにあるアニメの殿堂「まんだらけ」のことまで知っているオタクは、 「翼がいるから2-0で日本が勝つ」と答えた。 このようなものは除外し、100人の真剣な回答の結果は以下の通り。 コロンビア 2-0 日本 (28人) コロンビア 1-0 日本 (22人) コロンビア 2-1 日本 (18人) コロンビア 3-0 日本 (11人) コロンビア 3-1 日本 (4人) コロンビア 0-0 日本 (4人) コロンビア 1-2 日本 (3人) コロンビア 3-2 日本 (1人) コロンビア 0-1 日本 (1人) ご覧のように4-1の的中者はいない。 除外した酔っ払いの他には、4得点以上を予想した者も皆無だった。 しかもアンケートを行った時点ではファルカオの出場を皆が信じており、 「誰がゴールを決めると思う?」との質問には、ほとんどが「ファルカオ」と答えていた。 得点者として次に多く名前が挙がったのがロドリゲス。 今大会は大活躍で、これまで2得点だったW杯におけるコロンビア人の得点記録を3試合で更新した。 本来は起点となる選手だが、チーム全体の調子がいいと、再びゴール前で彼にボールが戻ってくるのだ。 日本戦ではGKのモンドラゴンが43歳3日で出場し、ロジェ・ミラの42歳1か月8日を更新したが、 16年振りのW杯出場も新記録のはずだ。 彼の同世代にはコルドバ、カレーロという優れたGKが揃い、コルドバがレギュラーで、 モンドラゴンとカレーロがサブを争うという構図が続いていた。 そのため、この歳なのに試合数は50に留まっている。 彼らの先輩が、有名なイギータ。ドリブルで攻め上がるGKだ。 そしてイギータは90年W杯トーナメント1回戦のカメルーン戦で、得意のドリブルを奪われて失点してしまう。 その得点者がロジェ・ミラだった。 イギータの後輩、コロンビアのGKが彼の記録を破ったことに、なにか因縁のようなものを感じる。 Tweet