「10年ひと昔」という。したがって、20年というのは相当昔のことだ。
 
しかし、発生から20年が経った地下鉄サリン事件および一連のオウム事件は、それほど昔のこととは思えない。
 
杉並区が地元のホルヘにとって、オウム真理教は割と身近な存在だった。
 
教団の杉並道場というのがあったせいで、ポスター掲示や無料コンサートなどの宣伝活動が盛んに行われ、
 
教団が運営する飲食店などもあった。
 
飲食店の従業員は信者なので人件費が掛からないせいか価格が安く、何度か利用したこともある。
 
1990年の衆議院議員選挙に麻原彰晃が立候補したのも、杉並区を含む旧東京4区。
 
選挙カーから流れる「ショーコー、ショーコー、ショコショコ、ショーコー」の歌が耳に焼き付き、
 
アホな教団と認識してはいたものの、あんな大事件を引き起こす団体とは思いもしなかった。
 
 
 
地下鉄サリン事件は、エクアドルの新聞で知った。
 
当時はインターネットもなく、「日本で大変なことが起きたぞ」と、知人が新聞を見せてくれた。
 
第一報は、地下鉄でマスタードガスのようなものが撒かれたテロ、ということだった。
 
続報から「オウム」の名前が出てきたが、「AUM」と書かれていたので、
 
すぐにオウム真理教と繋がらなかったことを覚えている。
 
あの事件から間もなく20年ということでテレビ放映されたものを観て、当時のことを思い出した。
 
 
 
さて、このブログがアップされる16日は、アジアカップの日本対イラク戦が行われる。
 
日本にとって比較的楽なグループだと言われているが、もしイラクに勝てないと、かなりヤバイことになりそうだ。
 
というのも、第3戦のヨルダンが結構強いからだ。
 
グループ内のライバルはイラクだと考えられているが、ヨルダンも侮れない。
 
 
 
ヨルダンはブラジルW杯予選でウルグアイとプレーオフを行い、0-5,0-0で敗れた。
 
その後ヨルダンは、W杯直前にコロンビアと対戦。
 
これはコロンビアが、仮想日本として組んだテストマッチ。
 
この時のヨルダンの監督は、予選で指揮を執ったハッサンで現監督のイギリス人ウィルキンスとは違うが、
 
ハッサンはロシアW杯を念頭にメンバーを大幅に入れ替えていた。
 
ウルグアイと0-0で引き分けたときの選手は4名しかいない。
 
しかもチームとしての準備期間はほとんどなく、会場となったアルゼンチン入りも試合前日。
 
一方のコロンビアは、故障者すら多かったものの、W杯に向けて完ぺきな準備をしていた。
 
 
 
試合は0-3で敗れたものの、1点目と2点目は共にPKで、3点目は退場者を出して10人になってから。
 
GKの好守に阻まれた決定機も何度かあり、内容は得点差ほどではなかった。
 
日本が1-4で敗れたコロンビアに、準備不足の急造チームでこれだけ戦えたのだから、その潜在能力は高い。
 
それを新監督が今大会に向け育てたのだから、日本を喰う可能性は充分にある。
 
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ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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