好評(?)のコロンビアガイドシリーズ。
 
前回は食べ物だったので、今回はホルヘにとって命の泉ともいえるアルコールをテーマにする。
 
 
 
赤道に近く基本的に暑いコロンビアでは、やはりビールが一番人気。
 
1日の終わりには、タバケリアという店で一杯引っかける人が多い。
 
タバケリアとは「タバコ屋」の意味だが、スナックや飲み物も扱っており、質素なテーブルとイスもある。
 
 
 
一番人気のPOKERをはじめ、CLUB COLOMBIA、AGUILLA、COSTENA、LEONAなどの銘柄、
 
さらにライト、黒、赤といった種類も豊富なので吞み比べるのが楽しい。
 
小瓶をラッパ吞みするのが一般的で、これはベネズエラも同じ。
 
どうやら、冷たいうちに吞み切るためのようだ。
 
ちなみに同じように暑いパラグアイでは、発泡スチロールなどの保冷容器に入れた大瓶が出てくる。
 
小瓶がいいところは温くならないだけでなく、多くの種類を試せることだ。
 
 
 
コロンビアはマフィアや悪党のイメージが強い。
 
しかし、普通のコロンビア人は優しく人懐こい。
 
タバケリアで初対面の人たちと仲良くなり、一緒に痛飲するなんていうこともよくある。
 
とはいえシャイな人が多いので、きっかけはこちらから作ったほうがいい。
 
毛色の変わったのが同じ店で吞んでいれば、彼らはそれに興味津々なのだ。
 
しかし、自分たちからは接触を試みない。
 
片言のスペイン語でも英語でいいから何か話しかければ、「待ってました」とばかりウェルカムしてくれる。
 
 
 
コロンビアの酒で忘れてならないのは、アグアルディエンテだ。
 
これはサトウキビが原料の蒸留酒で、度数は25~30度。
 
アグアルディエンテは、アグア(水)とアルディエンテ(燃えるような)が合わさった言葉で、要するに焼酎だ。
 
 
 
アグアルディエンテには、純粋なプレーンとアニサードの2種類がある。
 
アニサードというのはアニスの香りが付けられたもので、こちらの方が人気は高い。
 
アニスは、中華料理でよく使う香辛料の八角のこと。
 
アニス風味の酒は、フランスのパティス、ペルノー、ギリシャのアブサン、スペインのチンチョンなど
 
他にもあり水を加えると白濁するが、アグアルディエンテは濁らない。
 
 
 
炭酸飲料などで割ることもあるが、正統派はストレート。
 
そしてビールをチェーサーにするのが、コロンビアのマッチョスタイル。
 
ホルヘも常にこの吞み方だが、さすがにベロベロとなる。
 
 
 
今回、アグアルディエンテの小ボトルを土産にしようと思い、
 
出発日の午前中、ホテルの並びのスーパーへ買いに行った。
 
すると、午前中は酒類の販売は禁止だといって、売ってくれなかった。
 
こんな規則があるとは知らなかった。
 
 
 
そこで、何度か吞んだことのあるタバケリアへ行って交渉。
 
「絶対に見つかるな」と厳重に包装してブツを渡してくれた。
 
ホテルに帰るまでは、まるで麻薬密売人のような気分だった。
 
しかしそれほどの思いをして持ち帰ったにもかかわらず、日本の知人らには不評だったのでがっかりした。
 
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About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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