コロンビアガイド5 ホルヘ三村 2015年2月20日 コロンビア, ホルヘ・ミム〜ラ 好評(?)のコロンビアガイドシリーズ。 前回は食べ物だったので、今回はホルヘにとって命の泉ともいえるアルコールをテーマにする。 赤道に近く基本的に暑いコロンビアでは、やはりビールが一番人気。 1日の終わりには、タバケリアという店で一杯引っかける人が多い。 タバケリアとは「タバコ屋」の意味だが、スナックや飲み物も扱っており、質素なテーブルとイスもある。 一番人気のPOKERをはじめ、CLUB COLOMBIA、AGUILLA、COSTENA、LEONAなどの銘柄、 さらにライト、黒、赤といった種類も豊富なので吞み比べるのが楽しい。 小瓶をラッパ吞みするのが一般的で、これはベネズエラも同じ。 どうやら、冷たいうちに吞み切るためのようだ。 ちなみに同じように暑いパラグアイでは、発泡スチロールなどの保冷容器に入れた大瓶が出てくる。 小瓶がいいところは温くならないだけでなく、多くの種類を試せることだ。 コロンビアはマフィアや悪党のイメージが強い。 しかし、普通のコロンビア人は優しく人懐こい。 タバケリアで初対面の人たちと仲良くなり、一緒に痛飲するなんていうこともよくある。 とはいえシャイな人が多いので、きっかけはこちらから作ったほうがいい。 毛色の変わったのが同じ店で吞んでいれば、彼らはそれに興味津々なのだ。 しかし、自分たちからは接触を試みない。 片言のスペイン語でも英語でいいから何か話しかければ、「待ってました」とばかりウェルカムしてくれる。 コロンビアの酒で忘れてならないのは、アグアルディエンテだ。 これはサトウキビが原料の蒸留酒で、度数は25~30度。 アグアルディエンテは、アグア(水)とアルディエンテ(燃えるような)が合わさった言葉で、要するに焼酎だ。 アグアルディエンテには、純粋なプレーンとアニサードの2種類がある。 アニサードというのはアニスの香りが付けられたもので、こちらの方が人気は高い。 アニスは、中華料理でよく使う香辛料の八角のこと。 アニス風味の酒は、フランスのパティス、ペルノー、ギリシャのアブサン、スペインのチンチョンなど 他にもあり水を加えると白濁するが、アグアルディエンテは濁らない。 炭酸飲料などで割ることもあるが、正統派はストレート。 そしてビールをチェーサーにするのが、コロンビアのマッチョスタイル。 ホルヘも常にこの吞み方だが、さすがにベロベロとなる。 今回、アグアルディエンテの小ボトルを土産にしようと思い、 出発日の午前中、ホテルの並びのスーパーへ買いに行った。 すると、午前中は酒類の販売は禁止だといって、売ってくれなかった。 こんな規則があるとは知らなかった。 そこで、何度か吞んだことのあるタバケリアへ行って交渉。 「絶対に見つかるな」と厳重に包装してブツを渡してくれた。 ホテルに帰るまでは、まるで麻薬密売人のような気分だった。 しかしそれほどの思いをして持ち帰ったにもかかわらず、日本の知人らには不評だったのでがっかりした。 Tweet