旅打ちをしてきた。
 
旅打ちとは、旅をしながら博打をすること。
 
博打にもいろいろあるが、ホルヘが好きなのは競輪。
 
ということで、2泊3日で小田原競輪へ行ってきた。
 
小田原などは東京から日帰りの距離だが、旅打ち気分を味合うためビジネスホテルへ泊まった。
 
 
 
今や競輪は衰退の一途。
 
1973年に236万3180円という、すべての公営ギャンブルにおける
 
枠番連勝単式最高記録を出した千葉競輪も、3年後の閉鎖が決まったと聞く。
 
9人で走る競輪で、1着と2着を当てる車券が236倍にもなったのには訳がある。
 
レースには先頭固定と普通競争の2種類がある。
 
現在は実質先頭固定だけで、これは9人の選手とは別の先頭誘導員が途中まで先頭を走るもの。
 
その役目は、選手を風圧から守る風よけだ。
 
これに対し普通競争は、9人の中の1人が風よけのトップ引きを務める。
 
当然負担が大きく、レースには勝てない。
 
トップ引きには手当が出るので、それを狙って不調の選手が名乗り出る。
 
トップ引きは5枠の6番車となり、情報は客に知らされるため、その車券は売れない。
 
件のレースは普通競争だったが、なんと7選手が落車し、5枠7番が1着、
 
トップ引きが2着となり枠番5-5となった。
 
 
 
小田原競輪も共催者の神奈川県が撤退し、今後は小田原市の単独開催となるが、
 
いつまで続くかわからない。
 
小田急線で昼前に小田原着。
 
普通料金の急行で来たが、儲かったら帰りはロマンスカーに乗ることに決めている。
 
ネットで調べたところ、駅から競輪場までは12分。
 
駅前から無料送迎バスもあるという。
 
歩いて行ったが、線路沿いの坂をかなり上る。
 
近場なのに送迎バスがあるのは、このせいか。
 
 
 
小田原城が近くに見える小さな競輪場だが、驚いたことに中学校が隣接している。
 
なんで、こんなところに建てたのか。
 
教育上、はなはだよろしくない。
 
 
 
「小田競」という専門紙を買い、売店のオヤジに情報収集したが、
 
「サンサンバンク(1周333メートル)だから逃げ選手が有利」という
 
当たり前な話しか聞けなかった。
 
競輪は、9選手による、よーいドンのレースではない。
 
主に、地域によりラインというグループを作る。
 
一般的なのは、3人ずつに分かれる3分戦だ。
 
9人が、東北ライン、関東ライン、九州ラインなどに分かれる。
 
各ラインの先頭が逃げ選手などの機動型(そうでないこともある)。
 
 
 
逃げ選手が他のラインを制して先行し、仲間で上位独占するのが理想。
 
逃げ選手に付くのが番手、その後ろが3番手選手。
 
逃げ選手は風圧を受けるが、後方から抜きにかかった別ラインを、番手選手らが妨害する。
 
そして、最後は身内同士の勝負。
 
 
 
通常は、一番強いラインの逃げと番手の1,2着裏表。
 
3着は同ラインの3番手が売れ筋となる。
 
しかし、それでは配当が安い。
 
着いたのは第5レースの発売中。
 
それまでのレースの結果を見ると、なんと第1レースで3連単110万円が出ている。
 
荒れ模様は穴党のホルヘに都合がいい。 
 
 
 
風が強いので、人気となる逃げ選手が失速すると読み、番手と3番手選手を軸に高配当を狙った。
 
しかしそれがことごとく外れ、この日は全敗。売店のオヤジを信じればよかった。
 
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以下次週につづく


About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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