イタリア広場 ホルヘ三村 2015年6月28日 ウルグアイ, チリ, ホルヘ・ミム〜ラ 前回は大会運営側の不備により、取材パスの取得で苦労したことを書いたが、 このコパ・アメリカには、他にも「バカか」と思うようなことがあった。 大きな大会では、プレス用のバスが用意される。 他国や地方から来たプレスのため、スタジアムと市内中心地を往復する。 チリ対ウルグアイの後、ホルヘはこれを利用することにした。 宿まで徒歩10分ほどのイタリア広場まで行くというのだから、これは都合がいい。 ちなみにこの広場、現在の正式名称はバケダーノ広場だが、以前の呼称が今でも一般的に使われている。 このため、地下鉄の駅名はバケダーノで、路線バスの表示はイタリアとなっているなどややこしい。 さらにこの広場は、最近の渋谷ハチ公前のように、何かめでたいことがあると人々が集まる場所となっている。 試合後は勝利に酔った市民が詰めかけ大騒ぎとなっていた。 交通規制がなされプレスバスは渋滞に巻き込まれた。 チリが勝てばこうなるのはわかっているのに、なぜイタリア広場行きにしたのか。 まったく、理解しがたい。 結局、広場からかなり離れたところで降りることとなり、そこから宿を目指す。 イタリア広場を通って行くのが近道なのでそちらへ歩いていくと、 路上には装甲車、放水車などの警察車両が配備されていた。 そして、羽目を外した群衆が、それらに瓶や石を投げている。 すると突然、放水車が放水を開始。 投石していた一団がこちらへ逃げてきたので、放水もそれを追ってくる。 あんなものを浴びたら、たまったものではない。 無実のホルヘまで、憐れに逃げまどったのだった。 イタリア広場での投石と放水は、過去に何度もニュース映像で流され、チリの名物のようになっている。 どうやらこれは、お約束のようなものなのだろう。 軍事政権から民主化になると、自由を得た民衆や学生たちが要求を掲げデモをするようになった。 彼らに多少の法律違反があっても、警察は以前のようにビシビシ取り締まれない。 そこで、放水で対抗、というのが始まりで、いってみれば放水は民主化のシンボル。 そのため、石や瓶を投げて放水させているのだろう。 夏場には、わざと放水を浴びる猛者もいるに違いない。 さて、今度はスタジアムについて。 これは大会運営側の責任ではないのかもしれないが、ナシオナル・スタジアムには邪魔なポールが4本ある。 スタンドの観客からすればそれほど邪魔ではないだろうが、カメラマンにとってはとんでもないものだ。 防犯カメラの支柱なのだが、それがコーナーフラッグの外側に立っている。 もっと外にずらせばいいものを、ゴールラインとタッチライン沿いの広告ボードの内側ときている。 カメラマンは広告の外から撮るので、コーナー近くのカメラマンにとっては邪魔でしようがない。 ゴール前の攻防を撮ろうとするとかぶってしまう。 東京オリンピックのため建て替える新国立競技場は、屋根をどうするかですったもんだしているが、 海外から来たメディアに笑われないよう、報道関係者をはじめ様々な人の意見を聞き、 細かなところまで注意を払ってほしいものだ。 Tweet