ウルグアイのカバーニにカンチョーして怒らせ、狙い通り退場に追いやったチリのハラ。
 
国外からは恥知らずな行為だと非難され、被害をこうむったウルグアイ協会は
 
南米サッカー連盟の規律委員会に処分を求める提訴をした。
 
そして会議の結果、3試合の出場停止処分を科すと発表された。
 
しかしアルゼンチン人記者によると、
 
「会議なんか行われていない。規律委員会の会長はニューヨークで
 
副会長はペルー、委員の一人はアルゼンチンにいる。
 
この処分はひとりのメンバーが決めたものにすぎない」と疑問を投げかける。
 
一方チリ協会は、3試合を2試合に減らすよう提訴するという。
 
2試合ならこの大会の準決勝と決勝で消える(準決勝で敗れても3位決定戦で消える)が、
 
3試合となるとW杯予選の初戦も出られなくなるからだ。
 
 
 
一方チリ国内では、ハラ擁護、というより「よくやった」とヒーロー扱いだ。
 
カバーニを退場にしたことが勝利に繋がったので、86年W杯のマラドーナの「神の手」ばりに「神の指」と呼んでいる。
 
さらに応援グッズの帽子には、カバーニの尻に突っ込んだ、中指を立てているデザインも登場した。
 
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チリでは神の指はすっかり流行になってしまい、南米のダンス音楽クンビアの歌にまでなった。
 
映像を見るだけでも楽しいので、下記からどうぞ。
 

 
 
 
準決勝の相手はペルー。
 
隣国であり、お互いにライバル意識が強い。
 
ともに太平洋に面しているので、サッカーの対決はクラシコ・デル・パシフィコ(太平洋ダービー)と呼ばれる。
 
赤一色に染まったスタンド。
 
ペルーのスタメン発表が行われると、選手名がアナウンスされるたびに、
 
「プッタ・マドレ」という侮辱の言葉を観客が一斉に叫ぶ。
 
この感じだと、ペルーの国歌などはブーイングで聞き取れないだろうと思われた。
 
しかし選手入場前にアナウンスで、
 
「ペルーの国歌が流れる間、我々は“南米はひとつ”と書かれたヘイト反対のグリーンカードを掲げる。
 
みなさんにも協力してもらいたい」というキャプテン・ブラボのメッセージが伝えられた。
 
この効果は絶大で、観客は静かにペルー国歌を聞いた。
 
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試合は10人となったペルーをバルガスの2ゴールで下したが、11人対11人の段階ではペルーが優勢。
 
FWゲレロの迫力たるや凄いもので、ガレッカ新監督の采配もチームに合っており、
 
次回のW杯予選では怖い存在となりそうだ。
 
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About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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