かねてより行きたいと思っていた、エストゥディアンテスのゴルフ場でプレーすることができた。
 
2度ほどここでプレーする予定だったが、大雨などで実現できなかった。
 
 
 
エストゥディアンテスは言わずと知れたアルゼンチンの名門クラブ。
 
1968、69,70年にコパ・リベルタドーレス3連覇という偉業を成し遂げ、
 
68年にはヨーロッパ王者のマンチェスターUを下して世界一に輝いた。
 
最近でも2009年に南米覇者としてクラブW杯に出場している。
 
 
 
南米のクラブの多くは総合スポーツクラブで、サッカー以外の競技も充実している。
 
エストゥディアンテスのライバルで同じくラプラタをホームとするヒムナシア・イ・エスグリマのクラブ名は
 
「体操(ヒムナシア)とフェンシング(エスグリマ)」という意味で、元々のメインはこれらの競技だった。
 
 
 
クラブのサッカーチームがトップリーグに参加していればそこの看板にはなる。
 
しかし他の競技でもチャンピオンを輩出するため、あるいは会員のレクリエーションのため、
 
複数のスポーツが行える環境が整っている。
 
しかしさすがに、ゴルフ場まで持っているアルゼンチンのクラブはエストゥディアンテス以外にはないと思う。
 
そのため、どうしても1回はそこでプレーしたかったのだ。
 
 
 
クラブハウスなどの施設はたいしたことないが、コースは27ホールの立派なもので、メンテナンスも行き届いていた。
 
日曜日のビジターグリーンフィーは220ペソ(約2200円)。
 
白、黄、赤と3コース(各9ホール)ある中の黄色コースの最終2ホールは、
 
エストゥディアンテスの練習グランドに面している。
 
平日はその練習を見ながらラウンドできるというが、
 
ボールを打ち込んで選手にケガをさせたら大変なことになるだろう。
 
 
 
この日のコンペはフォーボールという、2人でペアを組み、良い方のスコアを記入していくという形式。
 
ホルヘと組んだのは、2か月前に心臓のペースメーカーを付けた70歳オーバーの人。
 
ペースメーカーは左胸の上の方に入っており、ボコッと出っ張っている。
 
バックスイングのときに左腕がそこに当たり、以前のトップが作れないと嘆いていた。
 
 
 
その人もかつては喫煙者だったので、
 
「昔は胸のポケットにタバコ入れてゴルフしてたでしょ。その頃のことを思い出せば、気にせずスイングできる」
 
と筋道の通ったアドバイスをしたが、
 
「タバコの箱なんかつぶれてもいいが、ペースメーカーを壊せるか」と怒られてしまった。

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About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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