日本代表が大量得点で連勝したアフガニスタンとシリア。
楽勝が予想されていたアフガン戦は、なかなかゴールが決まらず、観ていてモヤモヤ感があった。
しかし、グループ内最強の相手シリアとの一戦は、最高の試合だったと思う。
「最高」というのは、観ている者にとってだ。
強敵ゆえにゴールをこじ開けるのは簡単ではないながら、常に主導権を取って攻め続け、
先制点、追加点、突き放し、ダメ押しがナイスタイミングで決まった。
そして、「ヤバ!」「危ない」という場面が適度にあり
GKのファインプレーも生まれ、非常に見ごたえのある試合だった。
今後のことを考えれば、シュートミスが多いとか、不用意なピンチを招いたとか突っ込む点はあるだろうが、
そこまで完ぺきを求めるのも酷というもの。
日本は琴奨菊レベル。横綱相撲を期待してはならない。
横綱といえば、千秋楽での白鳳の変わり身。
あれが批判されるのは、相撲が単なるスポーツでなく、神事や伝統と結びつきの強いものだからだ。
ホルヘも伝統を重んじるので、土俵下の審判役親方を骨折に追い込んだダメ押しや、千秋楽の一番は邪道だと思う。
しかし、サッカーにはあれが必要だ。
「勝つためには何でもやる」という勝利への執念とマリーシアは、代表が白鳳から学ぶべきものだろう。
シリア戦で、山口が負傷し担架で運ばれた。
これを見て、「まだ変わっていないな」と思った。
以前アルゼンチンで、クラブW杯を観た知人から、「なんで子供が担架の係をやっているんだ」といわれたことがある。
アルゼンチンでは、下部リーグの試合でもなければ、負傷選手の搬送は電動カートだ。
それが自動車王国の日本で、トヨタプレゼンツの試合で、しかも日産スタジアムだというのに、カートでなく担架。
そりゃ、不思議に思うのも無理はない。
今はどうだか知らないが、日産スタジアムでは、芝の保護のためにカートが禁止らしい。
しかし頭を打って生死にかかわることもあるのだから、芝より搬送を優先してもらいたい。
どうしてもカートがダメなら、せめて担架の係を高校生のバイトでなく大人にしてほしい。
日本の高校生は、外国人から見れば子供である。
山口を運ぶときも、フラフラして危なっかしかった。
南米でもカートでなく担架で運ぶスタジアムはあるが、
少なくとも係員は大人で、救急車の隊員のような恰好をしていることもある。
負傷者を搬送するのだから、当事者はもちろん周囲にも
それなりの安心感をもたせるべきだと思うのだか、いかがだろうか。