花見のアトラクション ホルヘ三村 2016年4月6日 ホルヘ・ミム〜ラ, ライフスタイル 例年、3月末にアルゼンチンへ戻っていたが、今年は4月上旬になった。 これは、実に日本的な理由によるもの。そう、花見だ。 仲のいいグループが、毎年4月の第一日曜日に花見を行っている。 今年は、これに何としても参加したかった。 2月は暖冬で、「この調子では、春分の日あたりに花見ができそう」といわれていた。 しかしその後寒くなり、「桜は例年並み」との予想に変わった。 その時点で出発を4月に決め、チケットを手配した。 我々のグループには、すべてを取り仕切る花見奉行がいる。 場所取りから鍋の用意、酒の手配まで一手に引き受ける、「花見命」というようなおじさんだ。 その彼が、法事だか何だかで4月3日は都合が悪いということで、3月27日に決めてしまった。 わざわざ4月のチケットを取ったのに、なんてことだ。 しかし、泣く子と花見奉行には勝てない。 3月末は、まだ4~5分咲き。 天気予報では、当日は寒く雨が降るかも、ということだった。 そこでアンダータイツをはき、カイロを貼り、ベンチコート着用という防寒態勢で挑んだ。 ところが昼前からピーカンとなり暑い、暑い。 喉が渇いてガバガバ吞んだらリミットを越えてしまい、久々に頭が痛くなった。 4月に入って満開になってから、別の花見にも2回参加した。 そのうちのひとつで、ピンと張った帯の上を歩いたりする、スラックラインを初体験した。 これの愛好者が参加していて、樹の間にラインを張って自分で技を魅せ、希望者には教えてくれたのだ。 ホルヘはバランス感覚が悪い。 バランスボールでもすぐに落ちる。 だから、やりたい気持ちはあったが、ガマンしていた。 遠慮ではない。 ガマンしていたのだ。 というのは、「やりたい、やりたい」といって挑戦した人たちが、 無様な姿をさらして笑いものになっているからだ。 スラックラインの持ち主が、両手を持ってサポートしてくれる。 しかし不安定なラインの上に立つと、足腰がブリブリと震える。 この様子が、非常に間抜けで面白い。 なぜか、女性より男性の方が激しくブリブリする。 ホルヘたるものが、こんなところでブリブリして笑いものになるわけにはいかないと、 やりたいながらもガマンしていたのだ。 これは、正しい判断といえる。 しかし、酒というのは恐ろしい。 酔ってくると正しい判断ができなくなる。 そしてついに、「俺もやりたい」といってしまった。 ラインの上に立つと、当然のごとくブリブリが始まり、笑いとからかいの声を浴びることになった。 酔って気が大きくなっているから、「汚名をそそがねば」と、今までの誰よりも上手く歩こうと思った。 ブリブリがおさまってから足を前に出すと、これが意外とスムーズにいく。 酔っ払いは真っ直ぐに歩けないものだが、ラインが揺れているため、 千鳥足で歩くとちょうどラインの揺れと合うのかもしれない。 結局、ターンや早足といった前人未到の技まで行い、喝采を受けることになった。 スラックライン、これは実に面白い。 また、酔ったらやろう。 Tweet