アルゼンチンリーグはエストゥディアンテスが好調で首位を走っている。
前節はそのエストゥディアンテスとリーベルの好カードがあった。
その週の水曜日、新聞の小見出しに「RIVER vs ESTUDIANTES, SABADO 16:00」と書かれているのを見た。
土曜日の16時開始ということだ。
アルゼンチンでは金曜日から月曜日にかけてリーグが行われ、試合日時はその週の火曜日の夜の会議で決定する。
したがってマスコミで流れるのは翌日の水曜日になる。
 
 
翌週末はW杯予選のためリーグはお休みで次節は18日(金)~21日(月)に組まれるはずだったが、ベレス対デフェンサ・イ・フスティシアの試合のみ、スタジアムでコンサートを開催する都合により13日の日曜日に行われると、その週の水曜日に報道された。
コンサートの日程などかなり前から決まっているのに、試合日時の決定はいつも直前になる。
サポーターは週末の予定が立てにくいと思うのだが、特に不満の声はないようだ。
 
 
さて、ホルヘはリーベル対エストゥディアンテスを取材すべく、リーベルのスタジアムへ向かった。
以前はバスで行くことが多かったが、最近は地下鉄を利用している。
コングレッソ・デ・トゥクマン駅から1.5キロメートルほど歩くのだが、どういうわけかサポーターらしき人の姿がない。
これはおかしい。
本当は6:00PMだったのに16:00と思い込んだのか。
この手の間違いは、よくある。
スタジアムに近づくと、いつものように鉄柵でゲートが作られ、警備員も大勢配備されていた。
「やはり時間の読み間違いだった」と確信し、「どうやって時間を潰そうか」と考えながら、プレスカードを提示してゲートを通ろうとしたら、警備員に止められた。
「ここは通れない」という。
「プレスだ。試合の取材に来た」というと、「今日はコンサートで試合はない」と衝撃の言葉が返ってきた。
 
 
なんでも、ガンズ・アンド・ローゼスとかいうロックバンドのコンサートが開催されるため、試合はウラカンのスタジアムで行われるのだという。
リーベルのホームゲームだから当然ここだと思い、会場を確認しなかった。
何と間抜けな話だ。
これからウラカンのスタジアムへ行けば後半には間に合うが、心が折れ、明るいうちからヤケ酒に突入したのだった。
 
 
エストゥディアンテスはこの試合を引き分けて首位をキープ。
勝ち点5差でボカ、サンロレンソ、ニューウェルスが追っている。
一応優勝争いをしているボカだが、昨シーズンは低迷しコパ・アルヘンティーアでは準決勝で敗れたため、来年はコパ・リベルタドーレスにもコパ・スダメリカーナにも参加できなくなった。
テベスも今季限りが濃厚で、ボカサポーターの気分は憂鬱だ。
 
 
前々シーズンから一挙に10チーム増やして30チームとなったアルゼンチンリーグ。
一度は2月スタートにしたものの、再びヨーロッパに合わせるため今年の上半期は15チームずつ2グループに分けた変則システムで消化。
8月末から今期はスタートしてやっと軌道に乗ったと思いきや、2019年からまた20チームにするという。
しかも、CONMEBOLで主流の2月スタートにまた戻すそうだ。これほどコロコロ変わるリーグは、世界でも稀だろう。
 
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