国立野球場 ホルヘ三村 2016年12月21日 アルゼンチン, ペルー, ホルヘ・ミム〜ラ この前はじめて、国立野球場へ行ってきた。 アルゼンチンにも野球はあり、昔はかなり盛んだったという。 知り合いに、75歳くらいの日本人移住者がいる。 彼は中学生のときに移住を決意。 そして、移住すれば身体が資本と、高校では野球部に入った。 昔の日本人ならほとんどが野球の経験者。 したがって移住地でのお楽しみは、自然と野球になる。 中には、甲子園出場者も数名いたそうだ。 そうした人たちが、やがてアルゼンチンの大会に参加する。 日本人のレベルは高く、球界をリードしてアルゼンチン人を指導するようになる。 こうして、アルゼンチンの野球と日系社会は深い関係を築くようになった。 約50年前は注目度もそれなりにあったようで、サッカーがない時期は、メトロポリタンリーグという大会の模様が、新聞のスポーツ面のメインだったそうだ。 今年は在アルゼンチン日本人会の100周年ということで、さまざまな行事や催し物が行われた。 その一環として開催されたのが、国際野球大会。 中学生年代のアルゼンチン選抜2チーム(赤チームと青チーム)に日系人選抜、さらにペルーからAELU(アエル)が招待された。 AELUはペルーの日系人クラブだ。 もちろんサッカーもあり、以前ここの出身者が日本でもプレーしていた。 この大会はアルゼンチン野球連盟の主催で、AELUの招待に掛かる飛行機や宿泊の費用は、すべて連盟が負担したという。 これも、連盟と日系社会の絆ゆえだ。 国立野球場というのだから、このスタジアムはアルゼンチンで最高峰のもの。 パンアメリカン大会なども開催され、キューバ代表もプレーしたことがある。 しかし、スタンドはバックネット裏と1,3塁側だけ。 収容人員3000人と何かに書いてあったが、そんなに入らないだろう。 プラスティックの座席が取り付けられてあったが、そのほとんどがなくなっている。 1塁スタンドには、わずか2席しか残っていない。 日本の村営スタジアムとか町営スタジアムのほうが、はるかにしっかりしている。 ホルヘが観たのは、AELU対アルゼンチン青チームの試合。 AELUは日系人らしく、試合開始前にはグランドに向かって一列に並び、帽子を取って、日本語で、「オネガイシマス」とあいさつ。 もちろんアルゼンチンチームは、そんなことはしない。 AELUはランナーが1塁に出ると、手堅く送りバントをしてくる。 しかしアルゼンチンは、「犠打などつまらない」とばかりに強振してくる。 ユニホームの上着をパンツの外に出している選手はいるし、1塁コーチを務めていた大人の指導者は、スナック菓子の袋を持ち、ポリポリ食べながら指示を出していた。 だからといってふざけているわけではない。 真剣に取り組んでいるのだが、そのスタイルが国や環境によって違うのだ。 この両者は、ここまで2戦2勝の好成績。 ホルヘは途中で退席したが、その時点ではアルゼンチンがリードしていた。 ダラダラしているようでも、要所はしっかりしめているのだ。 Tweet