11月5日にリーベル対ボカのスーペルクラシコが行われ、ホルヘはギックリ腰になった。
 
 
前々回の「圧死の恐怖」で、コパ・リベルタドーレス準決勝リーベル対ラヌースへ行った際に危ない思いをしたことを書いた。
アルゼンチンはスタジアムへの入場が厳戒態勢。
相手チームのサポーターとの殺傷事件を防ぐため、アウェイのサポーターは入場禁止となっているが、同じチームのサポーター同士による派閥争いも後を絶たない。
そのため入場に際しては、チケットの確認、手荷物検査、身分証明書の確認という三つのチェックゲートを通らなければならない。
それぞれのゲートの前には、道を封鎖する鉄扉がある。
これは、ゲートへの人数をコントロールするためのもので、ゲートの人が少なくなると、扉を開いて次の一団を通す。
 
 
しかし、この扉が開いたときに我先にゲートを目指すことがあり、リーベル対ラヌースの際はそこで倒されそうになった。
もし倒れていれば、それが将棋倒しを誘って惨事になりかねなかった。
 
 
今回はそれに懲りて、試合開始2時間50分前にスタジアム周辺に着いた。
そしてリュック型のカメラバッグを背中から前に移した。
前回は、このバッグが人々の動きで振られて身体のバランスが保てなかったのだ。
 
 
重いリュックを前側で両肩にかけて、男性の妊婦体験のような格好になった。
そしてそのまま時間が過ぎる。
3時間近く前に来たというのに、スタジアムに入るまで45分もかかった。
もともと腰が悪いホルヘは、前かがみの姿勢を2~3分続けると腰が張る。
妊婦体験はかなり背筋に来るようで、これで背中から腰がガチガチになってしまった。
 
 
何度となく経験してきたホルヘのギックリ腰は、どうやら地震と同じようなメカニズムらしい。
プレートが潜り込み地殻が緊張してある日弾けるように、疲労や姿勢の悪さで筋肉が緊張・硬直し、ある日その反動でバキッとなる。
試合の3日後、3時間ほどデスクで仕事をして立ったら、バキッとなった。
これでまた最低1週間は、痛みに苦しめられ不自由な生活を強いられる。
腰が曲がったまま伸びず、食器棚の皿にも手が届かない。
ふとした動きで、ビリッと電気が走るように痛む。
しかし、それでも酒は呑む。
 
 
今季ボカは絶好調で、ここまで7戦全勝の1位。
それを引っ張っているのは、新加入のコロンビア人カルドーナだ。
ホルヘが初めて彼を生で見たのは、2014年のW杯前にコロンビア取材をしたときだった。
アトレティコ・ナシオナルの10番を背負う攻撃の立役者で、テクニックとゲーム感覚に秀でていた。
しかし若いのにお腹がポコッと出ており、運動量は少なめ。
「プレースタイルがリケルメに似てるな」というのが第一印象だった。
 
 
40分にリーベルのフェルナンデスがカルドーナの胸にスパイクし一発退場。
そしてこのFKをカルドーナが鮮やかに決める。
61分、今度はカルドーナが肘打ちをしたとしてレッドカード。
10人対10人になり、ホームのリーベルは活気づく。
そして69分に、ポンシオが豪快なロングシュートを突き刺して振り出しに戻す。
スタンドは行け行けモードで逆転を祈る大声援。
しかし73分、ボカのナンデスが決勝ボレーを突き刺した。
今回は記念すべき200回目のスーペルクラシコで、通算成績はボカの74勝62分け64敗となった。
 

写真はボカのカルドーナ選手です。