大陸間プレーオフのペルー対ニュージーランドは、0-0の後の第2戦でホームのペルーが2-0で勝ち、36年ぶりの本大会出場を決めた。
先制ゴールを挙げたファルファンは、この日は不出場のゲレーロのユニホームを掲げて号泣。
ゲレーロはアルゼンチン戦後のドーピング検査でコカインの陽性反応が出たため暫定の出場停止処分を受けている。
「コカ茶を飲んだためだ」という主張が認められればロシアの舞台に立てる可能性もあり、親友のファルファンは彼を連れていくために意地のゴールを突き刺した。
ゲレーロは非常にフィジカルの高いストライカー。
日本のファンにも是非見てもらいたい選手だ。
この試合の2日前、ペルー政府は、「W杯出場を決めたら、翌日は休日にする」と発表した。
いかにも南米らしい腰の軽さだ。
このような動きは、日本ではできないだろう。
日本がW杯の決勝に進んだとして、「優勝したら翌日は休みにする」と日本政府はいえるだろうか。
サッカー世界一が大偉業だと評価しても、突然に休日を作れるのか。
W杯中も社会は普通に動いており、決勝戦の翌日にも重要な業務や取引が予定されている。
急に「休みです」となったら混乱するし、法律の問題もあるはず。
「翌年の優勝記念日から、この日を国民の祝日にする」というのが精一杯のところで、このようなタイムリーな動きはできないだろう。
さて、ギックリ腰から1週間が過ぎた。
回復具合はまずまずで、今は8日後のコンペに間に合うことを願っている。
このギックリ腰の引き金となったのはリーグ戦のスーペルクラシコだったが、実は今シーズンから、アルゼンチンリーグはスーペルリーガ(スーパーリーグ)という名称になった。
これまでのリーグは協会の直営で、リーグの自主性、独立性というものがなかった。
生きていればFIFAゲートの中心人物として検挙されていたはずのグロンドーナ元会長によって牛耳られていたのだ。
有料チャンネルのテレビ局と契約が残っていたのに、突然それを無視して国と放映権契約を結ぶというおかしなこともあった。
この件もFIFAゲート絡みでニューヨークにおいて追及され、贈賄の疑いで逮捕されていた容疑者がそれを認めた。
収賄者とされたのは前政権の金庫番で、この人物は昨日、自殺した。
とまあ、このようなドロドロしていたものを、自主運営で健全化しようということだ。
リーグは長らく20チームで行われてきたが、グロンドーナの意向で一気に30チームに膨らんだ。
こんなことはやる前からわかっていたが、30チームは多すぎる。
そこで、徐々に減らすことにした。
降格だけで昇格がないと2部リーグが悲惨なので、4チーム降格の2チーム昇格。
これで今シーズンは28チームによって争われている。
今後もこのペースで適正数まで減らすようだ。
世界中でどこのリーグが一番大所帯なのかは知らないが、もっともチーム数が少ないのはイングランドのシリー諸島リーグだそうだ。
この諸島はイングランドの南西部に浮かんでおり、五つの有人の島と多くの無人島から構成されている。
1920年代に島対抗のリーグが始まったが、人口の減少でチームも維持できなくなった。
そして現在は、ガリソン・ガナーズとウールパック・ワンダラーズの2チームによって構成されている。
2チームだけのリーグは世界最小として、昨年、ギネスにも認定された。
10月から5月までのシーズンに全17節のリーグ戦と二つのカップ戦を行う。
試合はほぼ毎週の日曜日。
2チームしかないのだから、この両者の対戦はクラシコだ。
毎週、毎週クラシコがある。
2チームで17節を戦えば早々と優勝は決まりそうだが、最終節までもつれることがよくあるという。
諸島内にサッカーができるのは、16歳から50歳までの30数名。
シーズン前に両チームのキャプテンがパブで呑みながら、順番にこの選手たちを取っていきチームを作る。
これにより戦力差がなくなるというわけだ。
両者の対戦以外にも、選抜チームを組んで観光客と試合をしたり、別の島のチームを迎え撃ったりもするという。
実に楽しそうなリーグだ。
日本の過疎地でも、このシステムを真似したらどうだろうか。
写真はペルーのゲレーロです。