アルゼンチン海軍の潜水艦サンファン号が44名の乗組員とともに消息を絶ち、懸命な捜索が行われている。
この潜水艦は1983年にドイツで建造され、85年にアルゼンチン軍が配備したもの。
近隣諸国だけでなくアメリカやイギリスなども加わり、12か国の海軍が探索を行っている。
31の艦船と16機が洋上と空に展開し、総員は4000人以上に上る。
しかし現場海域の天候が悪く、捜索は難航している。
 
 
報道もこれ一色といった感じで、INFOBAEというメディアは、1988年に起きたペルー海軍の潜水艦事故からの生還者にインタビューしていた。
帰航中だったパコーチャ号が漁船と衝突し、大破して水深42メートルの海底に沈没。
事故から15時間後に、意を決して装備なしの素潜り状態で艦から脱出したという。
乗組員56名中8名が亡くなったが、この生還者は、サンファン号の家族に望みを捨てないよう語っていた。
ちなみにパコーチャ号と衝突したのは、日本のマグロ漁船だった。
艦内の酸素は7日間がリミットということだが、すでに8日目に突入してしまった。
さらに、消息を絶ったころに海中で爆発音のようなものが捕えられていたという報告もあり、状況は非常に厳しくなっている。
 
 
昨日はコパ・リベルタドーレス決勝の第1戦が行われ、ホームのグレミオが1-0でラヌースを下した。
終了直前、グレミオ最後のアタックで、ラヌースの選手が体当たりで相手を倒すという派手なファールをするも、主審はこれを取らず。
場所はエリア内なので明らかなPK。
準決勝同様、ラヌースはPK判定で恵まれた。
 
 
今週、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの政府代表者が会談し、2030年W杯招致に向けた動きが始動した。
このW杯は元々、アルゼンチンとウルグアイの2か国共催という案だった。
そこにパラグアイも名乗りを上げ、10月4日にアルゼンチンのマクリ大統領、ウルグアイのバスケス大統領、パラグアイのカルテス大統領が共同会見の場で3か国共催を発表した。
 
 
2030年はW杯100周年にあたる。
第1回の開催地はウルグアイだったので、記念大会を再びウルグアイでという声はかねてからあった。
しかしウルグアイだけでは、現在の大規模なW杯は開催できない。
そこでアルゼンチンが乗り出し、パラグアイも加わった。
  
 
五輪でも100周年大会を第1回開催地のアテネで行ったという前例があるので、ウルグアイが立候補すれば有力な候補になる。
ウルグアイとアルゼンチンは2回ずつW杯で優勝しており、実績も申し分ない。
3人の大統領は、マクリがボカ、バスケスがプログレッソ、カルテスがリベルタと、いずれもクラブの会長を経験したサッカー通という強みもある。
 
 
逆風となりそうなのはFIFAゲートだ。
中心人物の多くが南米サッカー界の幹部だった。
南米は汚職で腐りきっているというイメージが世界中に根付いてしまった。
ロシアやカタールの開催地決定に関しても、彼らは私腹を肥やしていた。
そんなところで開催させるべきではない、という意見もあるかもしれない。
しかしアルゼンチン協会のタピア会長は、「FIFAゲートは30年W杯になにも影響しない。今のCONMEBOLは完全に透明だ」と、あの事件により南米のサッカー界は生まれ変わり、むしろそれがメリットになると強調。
  
 
元パラグアイ代表GKのチラベルは、パラグアイが共催することに大反対。
「ブラジルを見ろ。W杯を開催したせいで経済的に困窮し、多くの国民が苦しんでいる。パラグアイは貧しい国なのだから、お祭りの開催より国民の生活を考えるべきだ」と、お得意の反体制節を発している。
  
 
南米の出場枠は4.5だが、14年大会は開催国のブラジルを入れると5.5になった。
3か国プラス4.5枠だと南米勢8か国が参加ということにもなりかねないが、さすがにそれは世間が許さない。
FIFAの指示に従いながら身内のCONMEBOLにも気を使い、開催国プラス2.5~3.5枠ということになるのではないか。