この夏も日本クラブユース選手権(U-18)サッカー大会が群馬県で開催されました。
群馬出身の自分としては、インターハイや選手権の県予選と並んで、それこそ小学生の頃からチームメイトや対戦相手として、一緒にボールを蹴ってきた懐かしい仲間に会う可能性の高い貴重な機会。
今回も2人の旧友に再会することができました。
 
 
1人は6月のインターハイ予選決勝でも会っていたので、ちょうど1ヶ月ぶりだったんですけど(笑)、今は群馬県のユースダイレクターのポストに就いている同級生。
小学生の頃は市内で圧倒的に強かったチームでゴールキーパーを務めており、小6の時には県予選を勝ち抜いて全国大会にも出場。
既にその頃から県内ナンバーワンゴールキーパーとして、知らない者はいないぐらいの実力者でした。
そのチームはまあ強かったですし、みんな上手かったので、基本的には市の選抜や県の選抜にも多数選出されていて、一代グループを形成している印象があったんですけど、そのゴールキーパーは割とフラットなヤツで、何となく話す回数も多かったように記憶しています。
 
 
一番の思い出は高3に上がる春休みに、県選抜で中国・香港遠征に行った時のこと。
やはり選抜の一大勢力だった前橋商業のメンバーが集団で動いている中、もともと仲の良かった彼と僕は同部屋になったんです。
選抜の構成としては前橋商業と“その他”みたいな感じもあり、普段の生活も比較的別々に行動することが多かった中で、その取り合わせが“その他”のメンバーには意外だったらしく、「なんでオマエらが同部屋なの?」「アイツ、性格悪いんじゃないの?」とかメッチャ質問責めに(笑)
「いや、昔から知ってるし、いいヤツなんだよ」「そんな訳ない!」「何でだよ?」みたいに、やたら『いいヤツなはずがない』的な“その他”のメンバーの思い込みが面白かったのを、不思議と覚えています。
 
 
もう1人も小学生時代からの知り合いで、現在は県内でも強豪として知られる小学生チームの監督。
ゴールキーパーとは違うチームに所属していたものの、間違いなく僕らの年代では県内ナンバーワンストライカー。
たぶん小6で身長も170センチ近くありましたし、スピードも相当あって、1人であっさりゴールを奪ってしまうスーパースターでした。
小学校、中学校と市の選抜や県の選抜で一緒にプレーしましたが、もう実力はケタ違い。
「こういう選手がプロに行くのかなあ」と思わされるようなレベルで、僕が一緒にプレーしたことのある選手の中でも、あれだけインパクトのあった選手は他にもなかなかいなかったと思います。
 
 
その2人は少し前述したように、群馬の名門として有名な前橋商業に進学し、ストライカーだった彼はセンターバックにコンバートされ、1年時からレギュラーを掴んで選手権では全国も経験。
ゴールキーパーも2年からポジションを奪い、強豪校で存在感を高めていきます。
 
 
僕らの高校はそんなに強くなかったんですけど、なぜか3年の時だけ突然変異的に強くなり、インターハイ予選、選手権予選と共に県の決勝を戦うことができたのですが、その時にどちらの決勝で当たったのも実は前橋商業でした。
 
 
圧倒的に前橋商業有利と言われていたインターハイ予選の決勝。
フォワードだった僕は、偶然にも1-0の決勝ゴールをマークし、チームも全国に出場できたのですが、そのゴールは例の2人のちょっとした連係ミスを突いたもの。
その話は数日前に会った時にも話題に出たんですけど(笑)、言ってみれば彼らのおかげで僕らは想像すらしていなかった全国大会に出られたと言っても過言ではなかったんです!
 
 
そして、選手権予選の決勝では1-4できっちりリベンジを果たされ、彼らが冬の全国へ。
センターバックの彼は初戦で、ストライカー時代を彷彿とさせる豪快なヘディングを相手ゴールに叩き込み、ゴールキーパーの彼は大会優秀選手に。
「やっぱりアイツらは凄かったんだなあ」とテレビの前で思いました。
 
 
それから21年。
今でもサッカーの現場で、当時を知る仲間と会うことができるのは、本当にありがたいことだなあと、この年になるとより実感することが多くなってきます。
ちなみに偶然にも彼ら2人の名前は同じ“ガク”。
これからも2人の“ガク”とは、立場は違っても同じサッカーを仕事とする者として、ずっと仲良くしていきたいですね。
 
 

写真は再会の場所となった群馬フットボールセンターです。