現在ブエノスアイレスでは、15歳から18歳のアスリートによって競われるユース五輪が開催されている。
206の国と地域から4000名以上が参加。
日本からも91名のヤングアスリートがメダルを目指してブエノスへやってきた。
 
 
開会式は6日に行われたが、これが五輪史上初となる画期的なものだった。
通常はメインスタジアムで行い高い入場料を払うことになるが、今回は街中で開催され誰でも只で観ることができた。
 
 
街のシンボルであるオベリスコの前に舞台を設置し、ヌエベ・デ・フリオ大通りを観覧場所とした。
当初から20万人の観覧者数が予想されていたが、それを上回る25万人近くが集まったといわれている。
 
 
道幅120メートル以上のヌエベ・デ・フリオは5ブロックほどが人で埋め尽くされた。
もちろん肉眼では舞台は見ることができず、設置された大型ビジョンやスマホ用に同時配信されたネット放送が頼り。
しかし高さ71.5メートルのオベリスコは遠くからも見える。
それを活かしてプロジェクションマッピングでオベリスコをさまざまに変化させ、そのたびに観客から歓声が上がった。
 
 
もう一つのアイデアは、頂上からのワイヤーパフォーマンス。
マッピングにより陸上トラックや漕艇場などの競技場に見立てたオベリスクの側面を、パフォーマーがアスリートに扮して昇ったり下がったりして観客の目を楽しませる。
最後はリオ五輪の金メダリストが聖火に点火し、3時間の開幕式はアッという間に終了した。
 
 
ホルヘは開幕の3日前にプレス用のIDカードを取りに行った。
すると、そのIDカードでバスと電車に無料で乗れるとの説明を受けた。
バスの運転手や改札駅員に提示すればいいのだそうだ。
また、すべてが無人改札の地下鉄用として、改札機に通す切符をくれた。
1日4回まで利用できるとのことだ。
 
 
はじめはプレス用のサービスかと思っていたら、実はボランティアの人たちもこれをもっていることがわかった。
ボランティアは無給だが、これを利用することで交通費まで負担することはなくなった。
 
 
東京五輪のボランティア募集が始まったが、待遇が悪いとか、地方在住者には条件が厳しいといわれている。
しかしこのシステムを導入すれば、問題はかなり解消できるはずだ。
もちろん前提となるのは交通各社の協力。
IDカードの提示かSUICAのようなものを使うかといった方法論はさておき、とにかく、ボランティアは無料になるよう交通各社に掛け合う。
特別列車を走らせろというわけではなく、通常の運行に便乗させてもらうだけなので、交通各社に負担はかけない。
11万人×乗車賃と計算すれば膨大な金額になるが、そこは五輪開催のために太っ腹で了承してもらいたい。
11万人という大量人員も、首都圏を網の目のように走る多くの路線に分散すれば混雑の原因になることもない。
 
 
JRが新幹線の利用も認めてくれれば、かなり遠くからでも日帰りが可能になる。
乗車券のみ無料という条件でも、たとえば新宿から小田急線の快速急行で小田原まで行き、そこから東海道線を利用すれば静岡まで3時間強。
短期間のボランティアなら、無理な通勤時間でもない。
 
 
すでに要綱を決定して募集を開始しているのでこのシステムの導入は難しいが、どこかの交通会社が「ボランティアのために乗車賃を無料にする」と申し出れば、他社も続くのではないだろうか。
 


About The Author

ホルヘ三村

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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