コロナ禍で先の見えない中、アルゼンチンのスーペルリーガは、今後2年間の降格凍結を決めた。
クラブはどこもリーグ戦中断によって大きな経済的ダメージを受けており、再開してもすぐには回復できない。
大型補強など困難で、安い選手やユース上がりばかりでチームを編成しなければならないクラブが多くなる。
そうなればレベルの低下は避けられず、伝統のあるクラブが降格するかもしれない。
それを救済するため、降格凍結の救済措置を打ち出した。
1部リーグにあたるスーペルリーガは、Jリーグ同様にサッカー協会傘下ながら独立組織。
しかし、J2、J3といった下部リーグは抱えていない。
2部リーグのプリメラ・B・ナシオナル以下は協会の直轄となっている。
J1の下はJFLだった創成期のJリーグと同じだ。
スーペルリーガと2部リーグ間で昇降格はあるものの、一度参加クラブが決まれば、1年間は同じ顔ぶれで独立組織を運営していく。
そうなれば身内意識が高くなり、誰もがババを引かないよう団結していく。
そうして、保身の新規約が作られた。
もっとも2部からの昇格は止めておらず、毎年2チームが上がってくる。
したがって2年後には現在の24チームから28チームに増加する。
一方メキシコでは、協会が6年間の昇降格停止を決めた。
コロナ前から2部以下のリーグが危機的状況で、リーグ側から制度の変更を求められていた。
そしてその状況はさらに悪化。
そこで、昇格や降格にエネルギーを費やさずにすむよう異例の措置をとった。
合わせて外国人選手枠の縮小と、ユース選手をトップの試合に起用する場合の規制を緩和。
2026年W杯後の正常化という長期的計画となっている。
セリエAの再開が噂されているが、それも当然無観客。
広告やグッズ販売といった副収入の少ない中小クラブほど、入場収入ゼロの影響は大きい。
早く観客を戻してもらいたいが、スタンドの密集で感染が広がる危険は避けなければならない。
欧米ですでに行われている抗体検査。
まだ抗体保持者は再感染しないという研究結果は出ていないが、もし再感染しないのなら、抗体保持者でスタンドが満員になっても大丈夫だ。
医療機関が発行した証明書を提示したサポーターだけに入場を許可すれば、念願の観客解禁が可能となる。
しかし、他人の証明書や偽造証明書を持ってくる不埒者も現れるはずだ。
そこでそれを防止するため、スマホなどでのサッカービジネスを行っているSocios.com社がデジタル証明書の開発に取り組んでいるという。
詳しいシステムはわからないが、抗体保持者の証明と身分証明をデジタル化してスマホかカードに取り込み、それをゲートでかざして入場する。
もちろん本人確認のために顔認証システムも導入され、他人のものではゲートを通れない。
なかなかの発明だが、1日も早くワクチンや特効薬が開発され、このシステムが無用になることを願ってやまない。