コパ・リベルタドーレス準決勝の第2レグ。
ホームでの初戦を2-0としたボカは、パルメイラスと2-2で引き分けて決勝進出を果たした。
ホームゲームを0-1で落とし背水の陣となったリーベルは、グレミオに先制されながらも2-1で逆転勝利。
アウェイゴールシステムにより、奇跡的にファイナリストへとたどり着いた。
これで決勝戦はコパ・リベルタドーレス史上初となるボカ対リーベルのスーペルクラシコとなったが、実はまだ不確定要素がある。
リーベルのガジャルド監督はこの試合で出場停止処分を受けていたが、ハーフタイムにロッカールームを訪れていた。
リーベルの2得点はいずれも後半に入ってからのもの。
ここでの指示が逆転勝ちに影響したであろうことは十分に推測できる。
ベンチ入りはもちろんのこと選手との接触も禁じられていたガジャルドがそれを破ったことに対し、グレミオはCONMEBOLに提訴。
規律違反によりリーベルの勝利は無効で、勝者はグレミオだと主張している。
CONMEBOLはこの訴えを受理し、規律委員会で検討するとしている。
つまり、ボカ対グレミオの決勝戦になる可能性も少なからずあるのだ。
こうした不確定要素のため、決勝戦の日程もどうなるかわからない。
CONMEBOLのカレンダーでは、決勝は11月7日(水)と28日(水)とされていた。
対戦カードがどうであれ、この日程で行えばよさそうなものだが、ブエノスアイレスが28日はNGなのだ。
30日からG20サミットが同市で開催され、トランプにプーチン、習近平らの要人が訪れるため、28日はすでに厳戒態勢となる。
したがって1週間繰り上げて21日(水)にするという案があったものの、「メガ・フィナル(ファイナル)」と名付けられたボカ対リーベルのカードとなると、ナイトゲームでは暴動が心配。
そこで、CONMEBOLとアルゼンチンのスパーリーグの許可を得て、ともに土曜日の10日と17日の午後4時から行うことになった。
しかしCONMEBOLの規律委員会がグレミオの言い分を認めれば、また日程が変わってしまう。
観客や一般視聴者にとっては大した問題ではないものの、放映権を持つテレビ局は調整や放送枠の仮押さえなどに振り回されることとなる。
話は変わるが、先週ブエノスアイレスで、ある変わった大会が開催された。
それは、小人症のサッカー大会。
しかも、第1回コパ・アメリカと銘打った国際大会。
アルゼンチンサッカー協会も協力し、代表のトレーニング施設内の体育館を会場として提供した。
参加はアメリカ大陸の国々と招待国の計9か国。
小人症の人たちがサッカーを行う環境は世界的に開けていないため、単一国ではメンバーが揃わず、2か国の合同チームもあった。
3チームずつ3グループに分かれ、各グループの1位と、最も成績の良い2位が準決勝に進出するシステム。
グループAはアルゼンチン、チリ、コロンビア、同Bはブラジル、モロッコ、アメリカ・カナダ連合、同Cはパラグアイ、ペルー、ボリビア。
コートはフットサルと同じで、プレーヤーは7名。
ゴールは体の大きさに合わせて横2メートル、高さ1.7メートルとなっている。
会場はAFAの他、ラシンとフェロの体育館で、グループリーグは3か所で行われ、準決勝はラシンとフェロで各1試合、そして3決と決勝戦はAFAとなっていた。
準決勝はアルゼンチン対ブラジルの好カードで、それを取材すべくフェロへ向かった。
ところが現場につくと、「そんなものはやらない」といわれた。
前日にネットで確認したら、「アルゼンチン対ブラジルは午前11時15分からフェロ」となっていたのに、その後で変更があり、2試合ともラシン会場。
一応はちゃんとオーガナイズされていたユース五輪の後だったので、この適当さに対応できず取材し損ねてしまった。
アルゼンチンはスーパーゴールでブラジルに逆転勝利を収めたが、決勝ではパラグアイに0-3で敗れた。
3決はブラジルが10-1でアメリカ・カナダを粉砕。
グループリーグでも一方的な試合が多く、小人症サッカーの普及度に大差のあることが露呈した。
それでも参加者は、「これは歴史的な第一歩。いずれはW杯につながって欲しい」と今後の発展を期待していた。