今年も間もなく帰国なので、その準備に追われている。
 
エアーチケットについては早めに9月頃から動いていたが、これが難問だった。
 
シドニーに所用があるので、そこ経由の日本往復を探すも、べらぼうに高い。
 
 
 
アルゼンチンでは、国民が外国へ行き外貨が流出するのを防ぐため、チケットに35%の税金をかけている。
 
チケットが2,500ドルくらいで税金を加えて3,400ドル程度と思っていたら、なんと約6,000ドルもする。
 
これはエコノミークラスの正規料金。
 
通常出回っている、ディスカウント料金のチケットがないのだ。
 
旅行会社は、どこかが安いチケットを大量に押さえたのだろうと判断し、ギリギリまで待つようにアドバイスしてくれた。
 
そうすれば、余ったチケットが戻されるからだ。
 
 
 
しかし、待っても安いチケットは出てこなかった。そこで、3,600ドルの片道を買うことにした。
 
片道が、想定していた往復より高くなってしまった。
 
 
 
しかし、これを額面通りに払わなくていいのが、アルゼンチンの面白いところ。
 
外貨規制により公定レートと闇レートが存在するので、それを利用する。
 
3,600ドルは、公定レート1ドル=8.5ペソだと30,600ペソ。
 
これを闇レートの1ドル=12.30で換算すると2.487ドルとなる。
 
クレジットカードだと公定レートで決算されるが、キャッシュ払いなら1,100ドル以上得をすることになる。
 
 
 
光熱費などは銀行口座からの引き落としとなっている。
 
しかし、この口座には外部からの入金は一切ない。
 
ホルヘは引き落とし専用として使っており、残高に応じて自分で入金する。
 
残高を調べようとテレフォンバンキングへ電話して暗証番号を押すと、
 
「お客様の安全のため、口座にはおつなぎできません」とのメッセージが流れた。
 
慌てて銀行へ行くと、暗証番号を変えなければならないといわれた。
 
変更の操作はATMで簡単にできるそうだが、それにはキャッシュカードが必要。
 
カードは確かにあるが、前述したように入金だけで引き出したことがなく、カードをどこにしまったかわからない。
 
このため、思わぬ家探しをする羽目となった。
 
 
 
続いては、銀行引き落としにしていない衛星放送の手続き。
 
戻って来たときに切られていないよう、前払いしておく。
 
事務所へ行って請求書を作ってもらい、パゴ・ファシルという店で払う。
 
 
 
以前は、こうしたものや公共料金の支払いは銀行だけだったが、
 
パゴ・ファシルとラピ・パゴというこの業務を扱う会社ができて便利になった。
 
日本での、コンビニ払いみたいなものだ。
 
 
 
最後は食料の整理。買い置きの食材を積極的に平らげていく。
 
出発2日前には、冷凍してあったカレーをワインの友にすることにした。
 
NHKの録画を観ながらチビチビやっていると、番組が「ためしてガッテン」になった。
 
そしてそのテーマが何と、「便失禁」。ウンコもらしである。
 
実はホルヘもたびたび経験がある。
 
したがって熱心に視聴したが、さすがにカレーをそれ以上喰う気にはなれなかった。


About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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