キルメス ホルヘ三村 2014年5月16日 アルゼンチン, ホルヘ・ミム〜ラ Jリーグではサガン鳥栖が首位と好調だが、アルゼンチンでも今期はゴドイクルス、ヒムナシアという リーグの優勝経験がないクラブが健闘している。 元アビスパ福岡のトログリオが指揮するヒムナシアは、残り2節でリーベルと同勝ち点の首位に立っていた。 第18節、ヒムナシアはアウェイでキルメスと対戦。 キルメスは、キルメスという街にある国内最大のビール会社キルメスがオーナーのクラブで、 愛称はCERVECERO(ビール工場)。 1部と2部を行ったり来たりしており、今期も降格争いの真っ最中。 ホルヘの乗ったバスがスタジアムまで1キロメートルあたりまで来ると、 群れていたサポーターがバスに乗ろうとした。 雨は降っていたが、なぜこんな近くから乗ろうとするのかわからない。 運転手も、「あと少しで左へ曲がる。スタジアムまでは行かない」と乗せないように説得するものの、 相手は「乗せろ」の一点張り。 結局運転手が折れ、彼らが乗車してきた。 そのとたん、車内にマリファナの香りが蔓延した。 おまけに、誰一人乗車賃を払うものはいない。 その後は短い道中、窓をバンバン叩きながらチャントの熱唱。 写真を撮ろうかと思ったが、からまれそうなのでやめた。 スタジアム近辺は、かなり警備が厳重だった。 現在はアウェイのサポーターを入場させないため、どこでも警備が緩やかになっている。 しかしキルメスは、バラスブラバス(フーリガン)の内部対立が激しい。 昨年も、試合後に対立するグループが路上で乱闘となりピストルを発射した。 近所の住民が自宅前に停めた車の運転席にいたところ、銃弾がフロントガラスを貫通しハンドルに着弾。 もう少しで胸に当たって絶命するとこだ。 当事者の奥さんがニュースのインタビューで、 「主人はショックで寝込んでいる。試合のたびにいつもこんな騒ぎが起きる。もう、すぐにでも引っ越す」 と怒りをぶちまけていた。 試合はキルメスが2-0で勝利。 リーベルが勝ったため、ヒムナシアの初優勝は限りなく難しくなった。 一方のキルメスはこれで残留が決定。 キルメスのロンバルディ監督は、これまでにもアルヘンティノスで2回、 ニューウェルスとラシンでも厳しい状況から降格を防ぎ、「残留請負人」として名をはせている。 キルメス(青)対ヒムナシア トログリオ監督(ヒムナシア) ロンバルディ監督(キルメス) Tweet