現在全国各地で行われているインターハイ予選。
 
今年は山梨で開催される高校生の祭典は、
 
各チームがきっちり仕上げてくる高校選手権と違って、
 
いわゆるジャイアントキリングが
 
予選の段階から起きやすいことでも知られています。
 
 
 
私が個人的によく取材させてもらっている東京でも
 
1次トーナメントの段階で帝京や東久留米総合など
 
優勝候補の一角と目されていたチームが敗退。
 
ベスト8の顔触れも比較的フレッシュな高校が並んでいる感があります。
 
 
 
先週末の時点で北海道と関東以外は既に代表が出揃っている中、
 
出場校を何となく眺めてみると、久しぶりに全国へと帰ってきた懐かしい名前がありました。
 
 
 
県ベスト8以降の3試合はすべてPK戦での勝利。
 
決勝では清水桜が丘を倒して、6年ぶりにサッカー王国・静岡の代表となった東海大翔洋。
 
もしかしたらこの名前に耳慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、それもそのはず。
 
実はこの校名に変わってからは2回目の全国大会出場ですからね。
 
 
 
“翔洋”になる前の名前は“第一”。
 
第65回高校選手権で当時はまだ珍しかった
 
ブラジル人留学生のアデミール・サントスを擁して、
 
初出場同士の激突となった国見との決勝を制し、
 
一躍全国にその名を知られることになった“東海第一”が以前の校名なんです。
 
 
 
澤登正朗や田坂和昭、森島寛晃、服部年宏、伊東輝悦といった
 
名選手を次々と日本代表へと送り出し、黄色と黒の縦縞といえば“第一”と称されていた同校も、
 
鈴木啓太と鈴木孝明のダブル“鈴木”以降は
 
なかなかJリーガーも輩出できないような状況が続きます。
 
 
 
また、意外にも高校選手権の全国大会出場は
 
前述した第65回と、まったく同じカードのファイナルを戦い、
 
国見にリベンジを果たされた第66回の2回のみ。
 
実はこの26年間は常に県内で涙を飲んできました。
 
 
 
そして、それはインターハイも同様。
 
1988年に初出場を果たすと、地元開催となった91年には服部や伊東に加えて、
 
その2人とはアトランタ五輪でもチームメイトとなる
 
白井博幸や松原良香もスタメンで出場していたインターハイ史上初となる同県決勝で
 
清水東に敗れたものの全国準優勝を果たしますが、
 
以降は他校の壁に阻まれ続け、6年前の優勝が東海大翔洋としては初の晴れ舞台。
 
なかなか全国大会とは縁がありませんでした。
 
 
 
そんな中で掴んだ今回の全国出場にはおそらく数多くの著名なOBも喜んでいるはず。
 
山梨の地で行われるインターハイでは、
 
東海大“翔洋”の躍進に期待したいと思います。