自然界の不思議な生態 ホルヘ三村 2014年9月19日 アルゼンチン, ホルヘ・ミム〜ラ, ライフスタイル アルゼンチンでもNHKのワールドプレミアム(国際放送)を、 DIRECTVという衛星放送会社に加入すれば視聴できる。 ホルヘはいつも受信機のハードディスクに録画して楽しんでいるが、8月はトラブルでいくつもの番組を見逃した。 リモコンのガイドボタンを押すと、テレビ画面に番組表が出る。 見たい番組のところで録画ボタンを押せば録画予約となり、二度押せば毎回自動的に録画してくれる。 しかし、8月にこの番組表がめちゃくちゃになった。 「大相撲春場所」なんていうのが毎日出てくるし、「花子とアン」が「ごちそうさん」になったりする。 大体見る番組は決まっているので、自動録画設定にしているものが多い。 しかし番組名が変わってしまえば録画できない。 ネットでNHKワールドプレミアムの番組表を見ることはできる。 そこで番組をチェックし、タイトルは違っていても、その時間の番組を予約するということも試した。 しかし放送の数時間前にタイトルが正しいものに変わり、そのために録画できないことも多々あった。 実は、これは以前から起きている現象。 8月や年末年始、さらに選挙前など、特番が多い時期にこうなる。 NHKに苦情メールを送ると、「状況は把握しています。DIRECTVに指導していますが、 なかなか改善されません」との答え。 9月に入り、通常放送に戻ると同時にこの問題は解決した。 ホルヘが毎回見る番組の一つに、「ダーウィンが来た」がある。 この前の放送は、アルゼンチンに住むマーラという珍獣だった。 15組もの夫婦マーラが、共同の巣穴で子育てをしていた。 巣にいるのは子供たちだけで、親は別の場所で過ごす。 共同の子育てといっても、仲がいいわけではない。 授乳させるときによその子が来ると、荒っぽく追い払う。 では、なぜ同じ巣を使うのか。 乾燥地でエサが少ないため、親は捕食に時間がかかる。 その間、置いてきぼりにされた子供は、巣の周辺で遊んでいる。 親は足が速く天敵から逃れられるが、子供は巣穴に逃げ込むしかない。 授乳などで巣に戻って来た親は周囲を警戒し、天敵が現れるとサッと逃げる。 子供たちは、その動きを見て素早く巣穴に逃げ込む。 捕食のため巣を留守にする時間が長くても、同じ場所で複数の親が子育てをすれば、誰かしらが見張り役になれるのだ。 このように自然界とはよくできたものなのだが、たまに理解に苦しむケースもある。 アルゼンチンには地面に巣を作る鳥がいる。 全長は30センチほどだろうか。 この鳥は、地面に卵を産み温める。 ゴルフ場でよく見かけるが、木の下や藪の中でなく、フェアウェイのど真ん中に堂々と巣を作っている。 ボールを打ちながらやってくるゴルファーは、彼らには卵の破壊屋と映るのだろう。 近づくとギャーギャーと鳴いて威嚇し、ときには体当たりの攻撃を仕掛けることもあるという。 ホルヘも一度、打ったボールが巣の近くに停まり、親が戦闘モードに入ったため、 離れた場所にドロップしてプレーしたことがあった。 地面には天敵が多いし、大雨が降れば水に覆われる。 何かの動物に食い散らかされた卵の残骸や、水没して腐ったものを見たことが何度もある。 安全な木の上でなく、なぜこんなところに巣を作るのか理解できない。 Tweet