先月開催されたFIFA U-20ワールドカップで世界を相手に堂々たる活躍を見せ、オランダのFCフローニンゲンへの期限付き移籍が発表された堂安律。
安定のガンバ大阪下部組織が生んだレフティが、オランダの地でも成功を収めてくれることを大いに期待したい所ですが、実は僕もそのフローニンゲン、行ったことあるんです!
2008年7月。
『Foot!』のスタッフだった僕はとんでもない企画を遂行するため、オランダを訪れていました。
その企画とは当時エールディビジ、つまりオランダの1部リーグに所属していた全18クラブのホームスタジアムを5日間で回っちゃおうというもの(笑)
一応オランダ全土は日本で言うと九州くらいの大きさらしく、「まあ行けるんじゃないか!」というザックリしたイメージの下、強行ロケを敢行することになったんですねえ。
少し疲労も出始めてきた3日目。
我々はフローニンゲンに辿り着きます。
そもそも日本語で考えると、なかなか不思議な語感の“フローニンゲン”。
同行していたMCの倉敷保雄さんはそういう部分に関して非常に興味のある方ですから、グッズショップの方に何度も現地の発音を確かめます。
結論として日本語的に一番近いのは“グローニヘン”って感じですかね。
“グ”にちょっとアクセントが付く感じでしょうか。
まあ、“フローニンゲン”ではなかったことだけは確かだったと思います(笑)
ただですね。実際スタジアムだと言われた所に行ってみても、それらしき雰囲気が全然ないんです。
「これはどういうことだ」と。
写真のような映画館兼カジノはあっても、スタジアムらしき建物はまったく見当たらないんです。
すると、コーディネーターの方が一言。
「この中にスタジアムがあるみたいですよ」。
実はフローニンゲン(グローニヘン)のスタジアムは複合施設だったんです!
映画館、カジノ、スーパーマーケットetc。
つまり試合のない日でも楽しめるような、街の一大施設だったんですよ。
もう外観は完全に映画館のそれですから、いわゆる日本のスタジアムをイメージしていた我々が気付かないのもムリはないですよね。
グルグルと映画館の周囲を歩いてみると、確かにスタジアムらしきものがわずかに見える入口が発見されました。
このロケは特に各クラブへ申請を出す訳ではなく、ある意味ゲリラ的な撮影スタイルを採っていたため、その入口からわずかに見えるスタジアムの一部を撮って、撮影自体は終了。
僕の脳裏には“映画館”と複合施設だからか「やたらに駐輪場が広い」という記憶だけが刻まれたフローニンゲン(グローニヘン)ロケだったのです。
それから9年。
まさかこんな形であの映画館を思い出すことになるとは(笑)
そういえばこのロケで、ヘーレンフェンのスタジアムを訪れている最中、やはり同行していたプロデューサーに「これからの人生でヘーレンフェンのことを思い出す日なんて来ますかねえ」と話し掛けたら、「いや、わかんねえぞ。意外とまた来たりするんだよ。こういうとこほど」と言われ、「そんなもんかなあ」と思っていたら、まだ再訪こそしていないものの、小林祐希の加入であの日のやり取りを思い出しましたし、今回はやはり堂安が加入したことで、あの“映画館”のネタをこちらでご紹介している訳ですから、やっぱり人生はわからないものですよね。
何だかんだで長くなりましたが、フローニンゲン(グローニヘン)でプレーする堂安が、あの『映画館スタジアム』で活躍することを心から祈っています!