汚い話で恐縮だが、10日ほど前、久し振りに吐いた。
気分が悪くなり、自分で喉に指を突っ込んで吐くオウンゲロや、吐しゃ物を口中にて耐え、再び飲み込む反芻ゲロはたまにある。
しかし今回は多量に一気に逆流し、口中で耐えることもままならず噴き出した。
このような鮮やかな噴水ゲロは、はたして前回がいつだったのか記憶にないほどだ。
 
 
吐いた原因は咳だ。
元々気管支が弱く、風邪でここをやられることが多い。
そうなると胸の奥がかゆくなり、ぜんそくの発作のような激しい咳に苦しむこととなる。
 
 
とにかく咳を鎮めたいので、薬局へ咳止めを買いに行った。
向かった先はDr AHORRO(節約先生)というチェーン店。
ここはその名の通り、薬が安い。
看板には、「最大75%お得」と書いてある。
なぜそれほど安いのかというと、扱っている商品がすべてジェネリック薬品だから。
 
 
日本でジェネリック薬品というと、処方箋薬のことを指すらしい。
しかし市販薬にも似たものがあり、ホルヘは以前、太田胃散のジェネリック版を買ったことがある。
店員によれば、効き目も成分もほとんど同じということで、値段は本家よりかなり安かった。
 
 
これは客が訊いたから教えてくれたので、店側とすれば大手メーカーの値段の高いものを売りたいのが人情。
しかしこの店のようにすべてがジェネリックなら、一般の薬局をライバルとして徹底した低価格で勝負することができる。
同様のチェーン店は他にもあり、街でよく見かけるから経営は順調なのだと思う。
こうした店は、日本にはできないものだろうか。
 
 
「咳止めください」というと、「タンはでるか」とか「血圧は高くないか」とか「今、何かの薬を飲んでいるか」など、いろいろと質問してくる。
日本のドラッグストアなどより、よほどしっかりしている。
 
 
咳きのほうは峠を越えたものの今でもしつこく残っている。
そしてそんな状態にもかかわらずというか、咳きこんで吐いた時ですら、ホルヘは煙草を吸っている。
ちょっと咳が治まると一服し、すぐにゴホゴホとなる。まったく愚かなことだ。
 
 
アルゼンチンでも煙草は400円近くと日本並みの値段になっている。
健康面や経済面を考えて禁煙したい気持ちもあるのだが、ホルヘにとって喫煙は、ある重要な役割を果たしている。
それは、麻薬・覚せい剤のストッパー効果だ。
南米にいればコカインを中心にした麻薬が安価で入手しやすい。
最近はアンフェタミンなどの覚せい剤系もかなり出回っている。
つまり、興味本位で手を出すことは容易なのだ。
 
 
しかし、常習者や中毒になったら人生おしまいだ。
興味本位からどっぷりハマってしまったという例は枚挙にいとまがない。
そこで、「煙草すらやめられないのだから、麻薬や覚せい剤に手を出したら大変なことになるぞ」と自らを戒めている。
禁煙に成功したら、「それなら麻薬も大丈夫」ということになりかねない。
というわけで、麻薬・覚せい剤のストッパーとして、不本意ながら喫煙を続けているのだ。
 
 
さて、以前、台所の床が盛り上がり、漏水の疑いがあるという話を書いたが、階下の部屋の天井に水漏れが発生し、ついに工事を行うことになった。
3日前から業者が入り、床と壁をハンマーで叩いて壊している。
部屋中が土埃で真っ白。
それがまた喉を刺激して咳が出る。
水道管と排水管の2か所で漏水が見つかり、ガス管も腐食しているので変えなければならないという。
今日も朝からトンテンカン、いつまで続くトンテンカン。
いい加減、頭が痛くなってきた。
 


About The Author

ホルヘ三村

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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