日本時間6日の朝にW杯南米予選第17節が行われる。
ここまでの状況は、ブラジルが勝ち点37で断トツの首位で、すでに出場権を獲得している。
まだ当落が確定していない国には、他の国の勝敗が影響する。
というわけで、公正を期すために、ボリビア対ブラジル戦以外の4試合は、すべてブラジル人審判が裁くことになった。
 
 
2位は勝ち点27のウルグアイ、3位が同26のコロンビア。
そして最後の出場権となる4位には、同24のペルー。
プレーオフ回りとなる5位に、同勝ち点のアルゼンチン。
両国は勝ち点と得失点差も同じで、総得点でペルーが上回った。
その差は、ペルーの26に対しアルゼンチンは僅か16得点。
とにかく、今のアルゼンチンは点が取れない。
 
 
そのあとは、同23のチリ、同21のパラグアイ、同20のエクアドルと続き、可能性があるのはここまで。
9位のボリビアと10位のベネズエラは予選落ちが決まっている。
アルゼンチンは前節で、このベネズエラ相手にホームで引き分けるという失態を演じている。
 
 
ホルヘはサンパオリ新監督になってから、アルゼンチン代表を撮っていない。
まだ日本にいるので、今節も行けない。
だから、プレーオフ回りになってもらいたいのだ。
そうすれば、ニュージーランドとの試合を取材できる。
 
 
実はアルゼンチンは、ロシアW杯の会場となる新スタジアムのこけら落としで、ロシア代表とテストマッチを行うことがかなり前に決まっていた。
ところが、その試合日がプレーオフと重なる。
おそらくロシアは、すでにこの話をキャンセルして、他の相手を探していると思う。
 
 
アルゼンチンは1985年以降のW杯予選でペルーに負けなし。
9勝5分けの成績を残している。
とはいえ、決して組みやすい相手ではない。
南アW杯予選でもアルゼンチンはプレーオフの危機に陥り、そこでペルーと対戦。
ホームゲームながら大いに苦しめられ、豪雨の中、試合終了間際に生まれたパレルモのゴールで辛勝している。
 
 
もし今回勝てなければ、アルゼンチンは大変なことになる。
最終節の相手はエクアドル。
そのエクアドルは、今節、チリと対戦。
チリの最終節は、消化試合モードのブラジルが相手。
そしてパラグアイは、コロンビア、ベネズエラと当たる。
 
 
エクアドル戦はアウェイだ。
キトの標高は2800メートル。
アルゼンチンは高地に弱い。
ペルーとエクアドルに引き分けると勝ち点は26止まりで、5位のキープすらままならない。
とにかく、ペルー戦に勝つしかないのだ。
 
 
そのためにアルゼンチン協会は、ペルー戦の会場をリーベルのモニュメンタルスタジアムからボカのボンボネーラに変更。
ここは急角度のスタンドが迫ってくる感じで、アウェイチームは大きなプッシャーを受ける。
恐怖心すら覚える選手もいるという。
 
 
しかし、ボンボネーラでのペルー戦は不吉だ、という声もある。
1970年のメキシコW杯予選は、現在のような10か国総当たりでなく3グループに分けられていた。
アルゼンチンは、ペルー、ボリビアと同組。
そして最終節は、ボンボネーラでのペルー戦だった。
結果は2-2の引き分けで、出場権を獲得したのはペルー。
アルゼンチンは初の予選落ちを喫してしまった。
 
 
さて、アルゼンチンは今回、この呪縛から逃れられるのだろうか。
 


About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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