ボンボネーラの呪縛 ホルヘ三村 2017年10月5日 アルゼンチン, ホルヘ・ミム〜ラ 日本時間6日の朝にW杯南米予選第17節が行われる。 ここまでの状況は、ブラジルが勝ち点37で断トツの首位で、すでに出場権を獲得している。 まだ当落が確定していない国には、他の国の勝敗が影響する。 というわけで、公正を期すために、ボリビア対ブラジル戦以外の4試合は、すべてブラジル人審判が裁くことになった。 2位は勝ち点27のウルグアイ、3位が同26のコロンビア。 そして最後の出場権となる4位には、同24のペルー。 プレーオフ回りとなる5位に、同勝ち点のアルゼンチン。 両国は勝ち点と得失点差も同じで、総得点でペルーが上回った。 その差は、ペルーの26に対しアルゼンチンは僅か16得点。 とにかく、今のアルゼンチンは点が取れない。 そのあとは、同23のチリ、同21のパラグアイ、同20のエクアドルと続き、可能性があるのはここまで。 9位のボリビアと10位のベネズエラは予選落ちが決まっている。 アルゼンチンは前節で、このベネズエラ相手にホームで引き分けるという失態を演じている。 ホルヘはサンパオリ新監督になってから、アルゼンチン代表を撮っていない。 まだ日本にいるので、今節も行けない。 だから、プレーオフ回りになってもらいたいのだ。 そうすれば、ニュージーランドとの試合を取材できる。 実はアルゼンチンは、ロシアW杯の会場となる新スタジアムのこけら落としで、ロシア代表とテストマッチを行うことがかなり前に決まっていた。 ところが、その試合日がプレーオフと重なる。 おそらくロシアは、すでにこの話をキャンセルして、他の相手を探していると思う。 アルゼンチンは1985年以降のW杯予選でペルーに負けなし。 9勝5分けの成績を残している。 とはいえ、決して組みやすい相手ではない。 南アW杯予選でもアルゼンチンはプレーオフの危機に陥り、そこでペルーと対戦。 ホームゲームながら大いに苦しめられ、豪雨の中、試合終了間際に生まれたパレルモのゴールで辛勝している。 もし今回勝てなければ、アルゼンチンは大変なことになる。 最終節の相手はエクアドル。 そのエクアドルは、今節、チリと対戦。 チリの最終節は、消化試合モードのブラジルが相手。 そしてパラグアイは、コロンビア、ベネズエラと当たる。 エクアドル戦はアウェイだ。 キトの標高は2800メートル。 アルゼンチンは高地に弱い。 ペルーとエクアドルに引き分けると勝ち点は26止まりで、5位のキープすらままならない。 とにかく、ペルー戦に勝つしかないのだ。 そのためにアルゼンチン協会は、ペルー戦の会場をリーベルのモニュメンタルスタジアムからボカのボンボネーラに変更。 ここは急角度のスタンドが迫ってくる感じで、アウェイチームは大きなプッシャーを受ける。 恐怖心すら覚える選手もいるという。 しかし、ボンボネーラでのペルー戦は不吉だ、という声もある。 1970年のメキシコW杯予選は、現在のような10か国総当たりでなく3グループに分けられていた。 アルゼンチンは、ペルー、ボリビアと同組。 そして最終節は、ボンボネーラでのペルー戦だった。 結果は2-2の引き分けで、出場権を獲得したのはペルー。 アルゼンチンは初の予選落ちを喫してしまった。 さて、アルゼンチンは今回、この呪縛から逃れられるのだろうか。 Tweet