オンセの呪い ホルヘ三村 2019年3月30日 コロンビア, ホルヘ・ミム〜ラ コロンビアの元サッカー選手ジョン・ビアファラが逮捕された。 麻薬密輸容疑でアメリカの司法局から手配され、コロンビアのボゴタで地元警察に身柄を拘束されたという。 逮捕されたのは19日だが、ホルヘは今しがた知り、大変ショックを受けている。 彼は2004年にオンセ・カルダスでコパ・リベルタドーレス優勝を果たした。 決勝ではボカを相手にゴールを決め、大会MVPに選ばれている。 そして最後のトヨタカップに出場し、ポルトにPK戦で敗れたものの彼のプレーは高く評価され、ここでもMVPに輝いた。 その後、イングランドやスペインでプレーし代表にも選出され、13年に引退している。 ロングシュートが得意なMFだった。 ホルヘは以前、雑誌の企画でコパ・リベルタドーレス優勝チームへの密着・潜入取材を行っていた。 トヨタカップのプレビューものだ。 当然、スター選手のインタビューは必要で、コパ・リベルタドーレスMVPのビアファラにも行っている。 非常に気さくな人柄で、逆に日本のことを逆取材された。 「ホルヘとのサッカー対決」というバカげた企画にも付き合ってもらっている。 07年のコパ・アメリカ(ベネズエラ)の際、試合前のピッチで、「ジョン!」と声をかけて手を振ると、彼も降り返してくれた。 オンセ・カルダスの取材は、非常に楽しく印象深いものだった。 ボゴタからクラブがあるマニサレスへの飛行機で、偶然にも監督のモントーヤと一緒になった。 そのフライトは天候不良でマニサレスへ着けず、別の空港へ降りてそこからバスで移動することとなった。 当然、マニサレスへの到着は大幅に遅れる。 乗客の中に、友人の家を訪ねるというアメリカ人がいた。 友人が空港へ向かいに来てくれることになっていたが、遅延により友人は帰ってしまったようだ。 途方に暮れるアメリカ人。 住所は分かるが、電話番号は持っていない。 さらにスペイン語は話せない。 それを見たモントーヤは、「助けてやろう。タクシーで友人宅へ届けよう」といい出した。 そしてホルヘも一緒に乗って彼を無事に送り届けた。 監督とはこれで意気投合し、その後の取材にも最大級の協力をしてくれた。 そのモントーヤはトヨタカップ後、強盗の銃弾を頭部に受けて全身麻痺となってしまった。 そして10番を背負っていたアルゼンチン人のファッブロは、17年に幼女への性的虐待容疑で逮捕され、そして今度はビアファラだ。 ビアファラも無罪を主張しており、黒か白かは今後の裁判に委ねられる。 ホルヘとしては、彼らの主張が真実で、それが認められることを願うだけだ。 Tweet