僕はこの数年、東京の高校サッカーを重点的に取材させてもらっているんですけど、実は非常に残念なことが続いています。
それはここ3週続けて、毎週末に必ず雨が、しかも決して弱くはない雨が降っていることです。
 
 
9月15日から高校生にとって最大のイベントと言っていい、選手権予選の都大会が始まりました。
その15日は八王子の堀越高校総合グラウンド、21日は駒沢第2球技場、22日は清瀬の都立東久留米総合グラウンド、28日は駒沢第2球技場。
僕が取材させてもらった10試合は、多少の強弱はあるにせよ、いずれも雨の中でゲームが行われました。
 
 
中にはピッチの至る所に水たまりができてしまい、ボールをいくら蹴ってもまともに前に進まないゲームも。
もはや日頃のトレーニングで積み上げてきたものを披露できるような状況にはなく、あるチームの監督さんは「我々が日々どれだけ努力をして、繋いで崩す、創るというサッカーを志向してやってきたか。それが一切使えないというか、ただ蹴って走る。で、もう何が起きるかわからない、くじを引いているかのような、そういうサッカーを80分間しなくてはいけないというのは何なんだろうという。本当に運良く勝たせてもらったから、次があるからいいんだろうけど、もしこれが違う結果になっていたらこんなにやるせないものはないですよね。何とも言いようがない」とやり場のない思いを話してくれました。
 
 
3年生にとって選手権は高校生活最後の大会であり、ここでいわゆる真剣なサッカーに幕を引く選手の方が、大学やそれ以外の選択肢で続ける選手よりおそらくは多いはず。
そんな大会の最後に、雨の影響で思うようなプレーができないまま、高校サッカーに別れを告げなくてはいけないという事実は、前述の監督もおっしゃっているように、やるせない以外の何物でもないなと。
 
 
今週末には東京高校サッカー界の聖地・味の素フィールド西が丘で選手権予選の準決勝が開催されます。
今度こそは素晴らしい芝生が用意された西が丘を、素晴らしいコンディションの下で彼らが走り回れることを切に願っています。
 
写真は雨の続く週末のあるグラウンドです。