猛暑だった日本も、9月に入り少しは過ごしやすくなったのではないだろうか。
ホルヘは、もう何年も夏の時期に日本にいない。
日本だけでなく、暑さが本格的なる1月前に帰国するので、アルゼンチンの夏も経験していない。
2か国を行き来して、秋、冬、春の3シーズンで1年を過ごしている。
日本の夏といえば鰻。
ホルヘの大好物だ。
しかし、別に夏でなくても鰻は旨い。
シラスウナギの激減により値段が高騰し、元から高いものがさらに高くなってしまった。
それでも、日本にいれば、金さえ払えば食べられる。
しかし、アルゼンチンでは入手困難。
昨年、日本を出発する前、ホルヘの鰻好きを知っている知人が、
「うなぎふりかけ」なるものを餞別でくれた。
これは国内産の鰻を加工したもので、静岡の聞いたことないメーカーが生産しているもの。
封を開けると、プーンと鰻の蒲焼の香ばしい匂いがする。
これは期待できそうだ。
裏面の注意書きには、「鰻の小骨が気になることがあるのでご注意ください」と書いてある。
いかにも、丸ごと粉砕したかのようで、期待はさらに高まる。
実際に食べてみると、ガリガリとした食感の小骨が、予想以上に気になる。
これは、食べづらい。
さらに食欲を誘った香も、口の中に入れると生臭さと泥臭さに変わる。
これは鰻が本来持っているものだろうが、このふりかけでは、それらが前面に出てきてしまう。
結論をいうと、全くの期待外れだった。
今年の出発前、持って行く日本食材を買いにスーパーへ行くと、
「これぞうなぎ」と書かれたふりかけを発見。
製造元は永谷園。大手メーカーの永谷園がすることなので、
先のふりかけを改良し欠点をなくしたものだと思い、すぐに購入した。
そして、今日それを食べた。
よく読まなかったホルヘが悪いのだが、これは鰻とは別物だった。
単に鰻エキスを使用しているだけで、主原料は大豆たんぱく。
エキスの量も少ないようで、鰻らしい香もない。
ただ大豆たんぱくでできているフレーク状のものは、サクサクとしていい食感だった。
2連連続して鰻ふりかけで失敗したが、来年に向けて名案を思いついた。
それは、両方のふりかけを混ぜること。
絶妙のバランスでブレンドすれば、両者の欠点を補って鰻らしくなるような気がする。
今のところの勘では、静岡産1に対し永谷園2だと思うが、果たして黄金比率は何対何なのであろうか。