帰国したホルヘは、暮れの27日に恒例のフットサル大会copa de gol.に参加した。
 
元や現役のJリーガー、Fリーガーも多数加わって蹴り納めを楽しんだ。
 
前回は2得点を挙げたホルヘだが、今回はまるで動けず。
 
「坂を転がるように」という言葉があるが、50歳を過ぎてから、体力の衰えはまさにその通りになっている。
 
唯一の見せ場は、GKでの顔面セーブ。
 
終了間際のラストプレーで、至近距離からのシュートを顔面で防いだ。
 
周囲から「ナイスキーパー」と褒められたが、ボールが勝手に当たっただけだし痛いしで、嬉しくもなかった。
 
 
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さて年が明けると、エクアドルのグアヤキルで

新婚旅行中の日本人夫婦がタクシー内で銃撃されたというニュースが伝わった。
 
グアヤキルは物騒な街で、ホルヘも首絞め強盗にやられたことがある。
 
今回の事件はタクシー運転手も一味となった特急誘拐と報じられているが、たしかに南米のタクシーはヤバイ。
 
 
 
日本でタクシー強盗と言えば、運転手が被害者になる。
 
しかし海外では、運転手が仲間と組んで乗客を襲うことが多いのだ。
 
知り合いの元サッカー選手(日本人)は、あるチームのテストを受けるため、
 
ホテルを夜出て流しのタクシーで長距離バスターミナルへ向かった。
 
しかしタクシーが突然暗い所で止まると、左右のドアから2人の男が入ってきて、彼にナイフを突き付けた。
 
そしてそのまま小高い丘の上まで連れて行かれ、身ぐるみを剥がれて放り出された。
 
 
 
コロンビアではこのような事件が多発したため、流しではなく、電話で呼ぶラジオタクシーの利用者が増えた。
 
しかし悪党は悪知恵が働く。
 
タクシーと会社との無線を傍受し、乗客の元へ先回りするようになった。
 
そしてこの方法は犯人たちにとって非常においしいものだった。
 
高級ホテルや高級住宅地から乗る客は金持ちなので、そこからの呼び出しを狙えば効率よく稼げるというわけだ。
 
 
 
エクアドルのキトで、ホルヘもタクシーに乗っていてドキッとしたことがある。
 
早朝の国際便に乗るため、午前4時過ぎにタクシーで空港へ向かったときのこと。
 
運転手が何やら無線で交信してしばらくすると、車が緩やかに止まった。
 
街灯も少なく暗い場所だ。
 
さっきの無線が、ここで襲うという仲間との連絡だったのか。
 
スーツケースにカメラバッグという大荷物を持っており、カメラ機材の総額だけで100万円を楽に超す。
 
ドアを開けて逃げ出すことは決心したが、カメラバッグを持っていくかどうかで逡巡していた。
 
すると運転手が、「すみません、ガス欠です。仲間のタクシーを呼んだので、それに乗り換えてください」という。
 
しかし、まだ安心はできない。

カモを逃さないために、強盗仲間が来るまで嘘を言って時間稼ぎをしているのかもしれない。
 
とはいえ、本当かも知れないので、逃げようという気持ちはなくなった。
 
「こうなれば、まな板の上のコイだ」と半ば開き直っていた。
 
結局、運転手が言ったことは本当で、間もなくもう1台のタクシーが到着。
 
カメラバッグを置いて逃げないで、本当によかった。


About The Author

ラテンのフットボールを愛し、現在はgol.アルゼンチン支局長として首都ブエノスアイレスに拠点を置き、コパリベルタドーレス、コパアメリカ、ワールドカップ予選や各国のローカルリーグを取材し世界のメディアに情報を発信する国際派フォトジャーナリスト。 取材先の南米各国では、現地のセニョリータとの密接な交流を企でては失敗を重ねているが、酒を中心としたナイトライフには造詣が深い。 ヘディングはダメ。左足で蹴れないという二重苦プレーヤーながら、美味い酒を呑むためにボールを追い回している。 女性とアルコールとフットボールの日々を送る、尊敬すべき人生の達観者。

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