コパアメリカ始末

チリの優勝で幕を閉じた今回のコパ・アメリカは波乱の連続だった。 グループリーグでブラジルとウルグアイが消えるし、メキシコはチリに0-7という歴史的大敗を喫し、準決勝のコロンビア対チリでは竜巻警報が発令され観客に避難指示が出るは、激しい雷雨(スタジアムの避雷針に4発落ちた)で2時間以上の中断。 そして、最後の最後にメッシの引退宣言。 さすが100周年記念大会だけに、記憶に残る出来事が目白押しだった。     ...

サッカーの教訓

エルナン・カシアーリというアルゼンチン人作家の、亡き父親との思い出を描いたエッセーが面白かった。 父親は大のサッカー好きで、息子のエルナンはそんな父親と一緒にテレビでサッカーを観るのが好きだった。 テレビをつけてサッカーが流れていれば、それが2部リーグや3部リーグの試合でも、再放送であろうとも構わずに二人で見入っていたという。   父親は、他の家のそれのように息子に「あーしろ、こーしろ」といったことは...

健康ルール

日本でも高齢者ドライバーの高速道路逆走や、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故が多発している。 したがって高齢者の免許更新は、更新期間を短くしたり、特別な講習や適性テストを行っていると聞く。 しかし通常は、更新が拒否されることはないはずだ。     70歳を超えるホルヘの知人が、先日、免許の更新に行ってきた。 彼は子供のころアルゼンチンに移民した一世で、昔の日本人気質をもつ真面目な人物。 試験場で更...

コパ アメリカ 100周年

6月3日から26日まで、アメリカでコパ・アメリカ・センテナリオが開催される。センテナリオとは100周年のこと。第1回W杯の会場となったウルグアイのセンテナリオスタジアムは、同国の独立100周年を記念して建設されたので、このように名付けられた。コパ・アメリカは、代表チームによる国際大会としては、世界で最も歴史があるものとされている。 大会はコンメボル(南米連盟)主催で、所属する10カ国によって争われていた。しかし...

ボカ準決勝進出

 コパ・リベルタドーレスの準々決勝で、ボカはウルグアイのナシオナルと対戦。モンテビデオで行われた第1レグは1-1の引き分け。ボンボネーラで行われた第2レグは、早いクロスをスライディングでカットしようとしたカタ・ディアスのオウンゴールにより、20分にナシオナルが先制。ここからのナシオナルはいやらしかった。前線から積極的にプレスをかけ、ボールを奪うと、速攻と見せてはゆっくり繋ぎ、ときには速攻でゴールを脅かす。 ...

南米のトイレ事情

 久しぶりにオベリスコの近くを歩いていたら、写真を撮っている人が多いのに気がついた。ここはブエノスアイレスのシンボルなので、いつでも観光客が記念撮影をしている。しかし今回は、地元らしき人までもがカメラを向けている。何を撮っているのかと見ると、巨大なBAの文字だった。ブエノスアイレスの頭文字であるBAを、樹木で造ったものが展示してあった。 アルゼンチンは芸術への関心が深い。以前ここでも紹介したが、オベリス...

南米のトイレ事情

 久しぶりにオベリスコの近くを歩いていたら、写真を撮っている人が多いのに気がついた。ここはブエノスアイレスのシンボルなので、いつでも観光客が記念撮影をしている。しかし今回は、地元らしき人までもがカメラを向けている。何を撮っているのかと見ると、巨大なBAの文字だった。ブエノスアイレスの頭文字であるBAを、樹木で造ったものが展示してあった。 アルゼンチンは芸術への関心が深い。以前ここでも紹介したが、オベリスコのてっ...

インフレ加速

毎年アルゼンチンに来るたびに、「ずいぶん物価が上がったな」と思うが、今年はそれがさらにひどい。これは政権交代が大きく影響している。クリスティーナ前大統領は、支持層である下層階級重視の政策を行い、さまざまな補助金や手当で税金をばら撒いた。しかし国家財政が苦しいうえ外貨が決定的に不足していたので、物価の上昇を招いた。しかしクリスティーナはインフレを認めず、政府の統計局は毎回でたらめな数字を発表してきた。 以前も書いたが...

インフレ加速

毎年アルゼンチンに来るたびに、「ずいぶん物価が上がったな」と思うが、今年はそれがさらにひどい。これは政権交代が大きく影響している。クリスティーナ前大統領は、支持層である下層階級重視の政策を行い、さまざまな補助金や手当で税金をばら撒いた。しかし国家財政が苦しいうえ外貨が決定的に不足していたので、物価の上昇を招いた。しかしクリスティーナはインフレを認めず、政府の統計局は毎回でたらめな数字を発表してきた。 以前も書い...

ブエノス大封鎖

先日ニュースを見ていたら、「明日の午前11時より、タクシー運転手により下記の25か所が封鎖されます」と伝えられ、その25か所がテロップとアナウンスで流された。いずれも幹線道路が交差する、ブエノスアイレス市の重要ポイントだ。 アルゼンチンでは、「ピケ」と呼ばれる道路封鎖が頻繁に行われている。政府に対する抗議や要求の場合だけでなく、労働争議や給与の未払いといった、一企業とそこの労働者間の、いうなればプライベートな問...