ベネズエラに令和

日本が平成から令和となったのと時を同じくして、ベネズエラでも国が大きく変化しようとしていた。 4月30日、暫定大統領のグアイドーが、SNSに軍幹部を従えたビデオメッセージをあげ、マドゥーロ政権打倒を呼び掛けた。     ベネズエラはチャベス前大統領からガチガチの反米左派主義で、マドゥーロは癌で亡くなったチャベスから指名されて後任となった。 マスコミ弾圧などチャベス時代から独裁色は強かったが、政治経験の乏しい...

共用スタジアム

リーベルのドノフリオ会長が、「ボカとリーベルの共用スタジアム建設についてマクリ大統領と話した」と公表し話題となっている。     ボカは約49000人収容の通称ボンボネーラ、リーベルは約67000人収容のモヌメンタルという立派なスタジアムを持っているが、ともに問題を抱えている。 ボカのそれはキャパ不足。 試合は常に満員で、本来は無料で入れるソシオを制限しなくてはならず、現在は正会員の募集をストップしている状...

お金の力

パラグアイは汚職や収賄の多い国だ。 こうした問題は、日本では政治家や官庁絡みが一般的ながら、パラグアイでは庶民にも身近なものとなっている。     ブラジルと接するシウダ・デル・エステと首都アスンシオンをつなぐ国道では頻繁に検問が行われる。 主にブラジルからの密輸品摘発が目的で、入念に車内を調べられる。 趣味で釣りに行った人が大漁で帰ってくると、「規定量以上獲った」といちゃもんをつけられるなど、何かとうる...

変わるコパ・アメリカ

ホルヘのコパ・アメリカ初体験は、1989年のブラジル大会だった。 その次の91年チリ大会へは行かなかったが、93年のエクアドル大会以降、95年ウルグアイ大会、97年ボリビア大会、99年パラグアイ大会、2001年コロンビア大会、04年ペルー大会、07年ベネズエラ大会、11年アルゼンチン大会、15年チリ大会を連続取材。 南米全10か国での開催を制覇した。     初コパ・アメリカから30年の今年、再び開催地はブ...

南米テストマッチ

花見を終えて、4月4日にアルゼンチンへ戻ってきた。     今回のテーマは先週書く予定だったが、ビアファラ逮捕の報を知ってそれを優先させた。 日本がコロンビア戦を行った同日、アルゼンチンはマドリッドでベネズエラと対戦した。 そして結果は、何とベネズエラが3-1で勝利。 この両者の初対戦は1967年のコパ・アメリカで、ベネズエラは南米連盟に加入したばかりの新参者だった。 実力差は明らかで、アルゼンチンが5...

オンセの呪い

コロンビアの元サッカー選手ジョン・ビアファラが逮捕された。 麻薬密輸容疑でアメリカの司法局から手配され、コロンビアのボゴタで地元警察に身柄を拘束されたという。 逮捕されたのは19日だが、ホルヘは今しがた知り、大変ショックを受けている。     彼は2004年にオンセ・カルダスでコパ・リベルタドーレス優勝を果たした。 決勝ではボカを相手にゴールを決め、大会MVPに選ばれている。 そして最後のトヨタカップに...

コウモリ騒動

22日に行われた日本代表とのテストマッチに出場したコロンビア代表のGKバルガスは、デポルティーボ・カリに所属している。 カリには名門アメリカ・デ・カリもあり、この両者の対決がカリ・クラシコ。 17日に行われたこの一戦は、オウンゴールによりアウェイのアメリカが勝利を飾った。     日本戦に召集されていたバルガスは、試合後にカリから首都のボゴタへ移動するのだが、普通の手段では飛行機の時間に間に合わない。 D...

サッカー女性デー

3月8日は世界女性デーということで、サッカー界でもそれに関連した出来事がいくつかあった。 日本でも報じられたが、アメリカの女子代表が待遇改善を求めて協会を提訴した。 代表戦の出場給やボーナスが男子選手より低いのは性差別だとし、同等の待遇を求めたのだ。     以前ここに書いたが、ニュージーランド協会は出場給の男女同額を決定し、「世界初の試みだ」と胸を張って発表した。 世界的に女子の試合は男子ほど観客が集ま...

噛まれた番犬

サッカーのルールは、接触プレーへの判定とペナルティがどんどん厳しくなっている。 選手の保護が最大の目的で、それとともに試合を公正にかつよりスリリングにするためだ。 最近はあまり耳にしなくなったプロフェッショナルファール。 「ここで抜かれたらヤバイ」「パスを通されたら大ピンチ」という場面で意図的に反則をすることだが、以前はFKのみの罰だったのに、現在は警告の対象となっている。 警告覚悟でファールする選手も多いが...

消えたCM

先日気づいたのだが、最近、バイクのテレビCMがない。 原付バイクは庶民の足で、以前はテレビでCMがバンバン流れていた。 女性向けのちょい乗りバイクとして発売されたホンダのラッタッタにはフランスの大物女優ソフィア・ローレンが起用されていたし、たしかスズキのジェンマには、マカロニウェスタンの大スターであるジュリアーノ・ジェンマが出ていたはずだ。 ヤマハの実用車メイトは低燃費が売り物で、「乗ってる乗ってる乗ってるヤマ...